...容貌の立派な、大層愛想のいい、怜悧な若者で、同僚の受けも甚(はなは)だよかった...
小泉八雲 田部隆次訳 「忠五郎のはなし」
...愛想のいい、しかも威厳のある微笑を浮べながら、お客様がたをわが家へお迎え申し上げてまことに喜ばしい仕合せ至極に存じますと挨拶をし、ただくれぐれもお詫び申し上げたいことは、わたくしも主人もあいにくこのたびは、将校の皆様がたにゆるりと御一泊が願える都合に参りませんことでございますと述べた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...彼女は愛想のいい笑顔を見せるのである...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...愛想のいい青年紳士らしい挙措なので...
豊島与志雄 「朝やけ」
...今度は前の二人より余程愛想のいい・年齢も少しは上らしい男である...
中島敦 「南島譚」
...愛想のいい受け答えをするのが常である...
中村地平 「南方郵信」
...一度でいいから!」人並はずれて愛想のいい...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ブリキを引っかくような音! ……お父さまが宮内(くない)省からいただいた、あの愛想のいい、『孔雀氏(ムッシュウ・ド・パン)』の啼(なき)声のことなのです...
久生十蘭 「キャラコさん」
...お前は随分と愛想のいいほうだ」と捻じくれたことを言った...
久生十蘭 「湖畔」
...今度だけは愛想のいい警部補が怒っているようだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...愛想のいい男で、眼が澄み、あごが角張っている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...赤ら顔で愛想のいい太っちょで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...反対に愛想のいい芸人らしい圓太郎の姿に軽い好感さえ感じられ...
正岡容 「寄席行燈」
...この記事を取りにきたたいそう愛想のいい記者が...
正岡容 「わが寄席青春録」
...愛想のいい幸福者たちのほうへ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...よくひびく愛想のいい賑やかなのどかな笑い声だのが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...ふだんから決して愛想のいい方で無いのが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...愛想のいい相手の鼻の表現の底に横たわる或るものがチラリチラリとうつるからで...
夢野久作 「鼻の表現」
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