...いかに愚鈍な人間のすることでも何かしら一つの目的はあるのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...世にもみすぼらしい小男の而も幾分愚鈍な牧田を従えて...
江戸川乱歩 「黒手組」
...しかもその罪をまったく無関係な一人の愚鈍な男にたくみになすりつけて平然としている...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...実直な水夫というのは――そして私は間もなく船中にそういう者たちがいるという証拠を知ることになったのであるが――ごく愚鈍な連中だったに違いない...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...この二十四時間に捜しあてなければ愚鈍なる陪審官達はいよいよ有罪の判断を下すであろうという心細い宣告を下されるのである...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...彼はすでに愚鈍な技巧と真面目くさった態度の倫理家の妄語に苦しめられてはいない...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...へんに面喰ったような愚鈍な様子になって...
豊島与志雄 「変る」
...愚鈍なぼやけた気持となって返ってきた...
豊島与志雄 「変る」
...愚鈍な不感症みたいになってしまったのであろうか...
豊島与志雄 「山上湖」
...感傷的で愚鈍なワグナー流の駄々(だだ)っ児(こ)ではなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...愚鈍なのかまたは狡猾(こうかつ)なのか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ありふれた光榮を約束させるやうな愚鈍な誠實さよりも寧ろちよつとした短い叫びの方を選ぶことの樂しみ...
堀辰雄 「Ombra di Venezia」
...見るからに愚鈍な顔を歪めて...
牧野信一 「鏡地獄」
...この十年ばかりピカソの作品はその複製を見るたびにその愚鈍なマンネリズムで私を全く飽き飽きさせる...
三好十郎 「絵画について」
...鋭敏でまた愚鈍な...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...最も粗野で愚鈍な者が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...愚鈍な品であると嘲(あざけ)られるようにさえ見えます...
柳宗悦 「民藝四十年」
...さもなければ愚鈍な...
夢野久作 「眼を開く」
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