...根が愚鈍な淡白(きさく)者だけに面白がつて盛んに揶揄(からか)ふ...
石川啄木 「菊池君」
...実直な水夫というのは――そして私は間もなく船中にそういう者たちがいるという証拠を知ることになったのであるが――ごく愚鈍な連中だったに違いない...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...こんなひどく愚鈍な奴には自分の疑念を最後まで容易に隠しておくことが出来るとわかっていたので...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...植物が見ても人間ほど愚鈍なものはないと思われるであろう...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...それがある愚鈍な自然主義かキリスト教的偶像崇拝かを隠し持ってるときのみである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...嘗て見識らぬ愚鈍な者の眼付だった...
豊島与志雄 「童貞」
...山田は愚鈍な賛嘆のうちにぼんやり聞いていた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...そして愚鈍なる彼の眼は...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...あたかも愚鈍なるかのように思わるることもあり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...稍々愚鈍なる浪費者を身辺に求めることは或時代に於ては可能であった...
中井正一 「「壇」の解体」
...冬の寒ざらしの貧しい田舍で愚鈍な 海牛のやうな農夫よ...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...」「しかしその人の頭は? 多分どつちかと云ふと愚鈍な方なんだらう? 云つてゐることは...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ありふれた光榮を約束させるやうな愚鈍な誠實さよりも寧ろちよつとした短い叫びの方を選ぶことの樂しみ...
堀辰雄 「Ombra di Venezia」
...私とDは思はず気拙い思ひに打たれて愚鈍な眼を視合せた...
牧野信一 「波の戯れ」
...愚鈍な伝令兵たちでさえも...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...(ペルシウス)だがもしそれが粗野で愚鈍な霊魂であったら? 快楽だって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...愚鈍な性格を持っているらしく...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...何たる愚鈍な兄...
吉川英治 「平の将門」
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