...最後にその二等と三等との区別さえも弁(わきま)えない愚鈍な心が腹立たしかった...
芥川龍之介 「蜜柑」
...いかに愚鈍な人間のすることでも何かしら一つの目的はあるのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...世にもみすぼらしい小男の而も幾分愚鈍な牧田を従えて...
江戸川乱歩 「黒手組」
...道譽もと愚鈍なりしも...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...こんなひどく愚鈍な奴には自分の疑念を最後まで容易に隠しておくことが出来るとわかっていたので...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...自然と真理の人(ロンム・ド・ラ・ナテュール・エ・ド・ラ・ヴェリテ)は生まれつき愚鈍なために...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...へんに如才ないようにまたは愚鈍なようにも見せるのでした...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...山田は愚鈍な賛嘆のうちにぼんやり聞いていた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...だしぬけに居ずまいを正すげな」誰かが愚鈍な声で鼻の噂をし始めると...
中村地平 「南方郵信」
...最も愚鈍な連中でも顎(あご)を胸に埋め...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...仲間の学生たちのなかの愚鈍な連中から金をまき上げて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...愚鈍な私ははじめて首をすっこめた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...愚鈍な品であると嘲(あざけ)られるようにさえ見えます...
柳宗悦 「民藝四十年」
...まるで嘘のように愚鈍なところがあるのを知っているか」「人の見かたにはいろいろあるよ」「そう安心していられれば仕合せだ...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...さもなければ愚鈍な...
夢野久作 「眼を開く」
...どうも私ども書齋人の愚鈍な頭にはふしぎなのでございます...
吉川英治 「折々の記」
...まして、馬といふ動物は、何となく、人情ツぽい、いや愚鈍なほど、情に順なところがあつて、これが何かのことで斃死すると、家族のひとりを失つたやうな氣のするものだ...
吉川英治 「折々の記」
...「なんじゃ改まって」「われわれ愚鈍な生れには...
吉川英治 「三国志」
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