...おッ母さんがやって来るのも、その相談だから、そのつもりで、吉弥に対する一切の勘定書きを拵(こさ)えてもらいましょう」こう言って、青木が僕の方を見た時には、僕の目に一種の勝利、征服、意趣返し、または誇りとも言うべき様子が映ったので、ひょッとすると、僕と吉弥の関係を勘づいていて特に金ずくで僕に対してこれ見よがしのふりをするのではないかと思われた...
岩野泡鳴 「耽溺」
...それとも彼の悪口や打擲(ちょうちゃく)に意趣返しをするためか...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...このお梅どんから後で意趣返しされるやなんて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...それからポーラを取られた意趣返しの機会をねらう悪漢フレッド...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...「あんたがさっき『いとしげに接吻しぬ』の後ですぐ帰らないで、こうした無作法な仲間といっしょに踏みとどまるようになられたのはどういうわけでしょうな? それはほかでもない、あんたは自分が卑しめられ、侮辱されたような気がするものだから、その意趣返しに、一つ利口なところを見せつけてやろうと思って踏みとどまったのでがしょう...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...なんら意趣返しの心も...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...意趣返しをするのがうれしくて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...意趣返しなんかは彼奴(あいつ)らにとって訳ないことなんだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その意趣返しにふと思いついて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」しかし身体は彼に意趣返しをした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...富公の意趣返しは日に日に悪辣になり...
中勘助 「銀の匙」
...おまへの恥知らずに意趣返しせずになんぞゐられるものか!」彼女は囲炉裡の所から扉の陰に行つて...
中原中也 「山間秘話」
...「手前(てめえ)は言い寄って弾(はじ)かれた意趣返しに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親爺の斯んな皮肉な意趣返し法を発見して得意になつて酒場の常連に吹聴した時には...
牧野信一 「山彦の街」
...一ばんに意趣返しをしなけりゃあならないが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...頭痛が治った意趣返しをやらにゃならぬと怪(け)しからぬ考えを起し...
南方熊楠 「十二支考」
...その意趣返しをしに来たものに相違ありません...
吉川英治 「江戸三国志」
...他愛もない間違いの意趣返しだとか...
吉川英治 「新・水滸伝」
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