...私の十七の夏、帰省しました時、意外にも、私は結婚の話を持ち出されました...
伊藤野枝 「書簡 木村荘太宛」
...それは意外にもうまく行って...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...意外にも彼(か)のモガ崩れのマスミだった...
海野十三 「深夜の市長」
...花環(はなわ)と花籠(はなかご)極東薬品工業前の空地に、蓆(むしろ)をつくって小屋がけして新興ミマツ曲馬団の更生興行は、意外にも、たいへんな人気をよんで、場内は毎日われるような盛況(せいきょう)であった...
海野十三 「爆薬の花籠」
...意外にも当の役者は...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...意外にも先方では公高に誘われるので大困りだとの事...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...そしてもうこれならだいじょうぶだろうとおぼしめして、ひょいとうしろをふりむいてご覧になりますと、意外にも、こんどはさっきの女神のまわりにいた八人の雷人(らいじん)どもが、千五百人の鬼の軍勢をひきつれて、死にものぐるいでおっかけて来るではありませんか...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...君だ! 意外にも君であつた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...おばあさんが意外にも敏捷(びんしょう)に腕を延ばして...
寺田寅彦 「柿の種」
...それはファシズム的統制化からの人間恢復ではなくて、意外にも、リアリズムからの人間恢復だったのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...自ら恥しくまた意外にも感じて...
豊島与志雄 「野ざらし」
...わたしは意外にも先程牛乳屋の腰掛で見かけた白いスヱーターの女がどの道を辿(たど)つて來たのか...
永井荷風 「畦道」
...「奴、何の用で来た、今時分」「何の用ですか」二人はうす気味の悪い心持でいると、そこへ案内されたのは、「へえ、これはお二方(ふたかた)、永らく御無沙汰を致してしまいました」「ナーンだ、金公か」五分月代(ごぶさかやき)に唐桟(とうざん)の襟附の絆纏(はんてん)を引っかけて、ちょっと音羽屋(おとわや)の鼠小僧といったような気取り方で、多少の凄味を利(き)かせて、がんりきの百蔵が現われることを期待していると、意外にも、それはおっちょこちょいの金公でしたから、二人も拍子抜けがしているのを、委細かまわず金助は、「ちょっと旅に出ていましたものですから、つい、何しまして……御無沙汰を仕(つかまつ)りました」「どこへ出かけていた」「お馴染(なじみ)の甲州街道筋をぶらついて参りました」「面白いみやげ話があらば聞かしてくれ」「なんせ、山ん中のことでございますから、面白いみやげ話とてありよう道理はございませんが」と冒頭(まくら)を置いて、金助はべらべらと締りもなく、お角に頼まれて出かけたことから自分の手柄話、結局、このたびの大魔術のことになって、お角という女の親分肌を、口を極めて讃美にかかりましたから、お絹がいよいよ不機嫌になってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところが意外にもその方はまるで音沙汰(おとさた)なしで...
夏目漱石 「明暗」
...その頃、イギリスとの國際情勢が思はしくなかつたので、政府當局の人たちも大使館の人たちも心配してくれたが、また、私自身も最惡の場合の覺悟はしてゐなくもなかつたが、事實は、意外にも、むしろ反對に、頗る氣持よく迎へられ、リーヅ大學では、エドワード・ヂェイムズ教授夫妻が私たち夫妻のために講義期間中自分たちの家庭を提供してくれたり、ケインブリヂではサー・アーサー・クィラクーチ教授が、近年さういつたことは全くなかつたのださうだが、特に私のために老躯を提げてチェアマンになつてくれて、非常に厚意に充ちた長い紹介の挨拶をしてくれたりした...
野上豐一郎 「「西洋見學」はしがき」
...意外にも下手人だったとする...
野村胡堂 「胡堂百話」
...私はそこに、意外にも、私の友人の秦が一人きりでゐるのを、見出したのであつた...
堀辰雄 「水族館」
...意外にも其處に立つて居るのは...
水上滝太郎 「大阪の宿」
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