...人々が案じに案じたる天候は意外にもおだやかに...
泉鏡花 「凱旋祭」
...ところが、意外にも、死んで呉れたのは千代子でなく、かの女が里にやつてあつたのを取り返した赤ん坊だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それまでは敵として戦ってきた戦勝国のアメリカなどが意外にもわれわれの手をとって泥溝(どろみぞ)の中から救い上げてくれ...
海野十三 「海底都市」
...後期の游心帳は意外にも九年十年十一年の晩秋で終つてゐる...
小穴隆一 「二つの繪」
...先生(と意外にも書いてしまいましたから...
太宰治 「風の便り」
...この事は意外にもかえって往々にして現時の科学者によって忘却される...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...従って又自分が他のどういう動向と意外にも一つであったり対立していたりしているかということも判るのであるし...
戸坂潤 「思想としての文学」
...それは意外にも縁談のことであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...意外にも程遠からぬ路傍で起りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...つかまえて見ると意外にも...
中里介山 「大菩薩峠」
...而も意外にも露子を殺す方法は...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...階段を駆け上って鶴子の住居の扉を押すと意外にも内部から堅く錠が下されている風で...
久生十蘭 「魔都」
...ただ、現實あるひは夢が彼の作り事以上であつたことは、意外にも、その石膏の女の顏が、彼の死んだ母の顏にそつくりであつたことだ...
堀辰雄 「鼠」
...そして意外にも、僅(わずか)に二歳であった保さんが、父に「武鑑」を貰(もら)って翫(もてあそ)んだということを聞いた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...ところが意外にも主人は己を留(と)めて一晩泊らせようと云つた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...意外にも処女であった事です...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...……それで、養父(ちち)が亡くなりますと、正月の十一日でしたが……三七日の法事の時に、親類たちと相談をしまして、四十九日の法事が済んだら、間もなく式を挙げる事に決定したのですが、それを品夫が聞きますと、意外にも、頑強な反対論を持ち出しましてね……今までは別に異存も無いらしかったのですが……」「ヘエ……妙ですな...
夢野久作 「復讐」
...――縛(から)め捕ってから気づいたのは、意外にも、それが城主柳生家厳(いえとし)の息子であったということです...
吉川英治 「剣の四君子」
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