...すでに何事をおいてもの快楽の情慾しか持たないところの...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...華族と法律とを拵(こしら)へる事を情慾のやうに心得てゐる国家が...
薄田泣菫 「茶話」
...情慾も何も起らんように麻痺(まひ)さしといて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...向う見ずな情慾も恐らくなかったろう...
豊島与志雄 「波多野邸」
...それに恥を忍んで自分の情慾の事を打ち明けて...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...限りなき情慾の犠牲に上げられたものだともいう...
中里介山 「大菩薩峠」
...野獣のやうな病熱さをもつた少年の日の情慾...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...ああすべて惱ましき光の中に桃の笑みてふくらむ情慾の一時にやぶれてどくどくと流れ出でたり...
萩原朔太郎 「春晝」
...おまへの情慾をたかぶらしめ...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...君の耳はそれを聽くか?久遠(くをん)のひと 佛陀よ!ある風景の内殼からどこにまあ! この情慾は口を開いたら好いのだらう...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...ここをさまよひきたりてうれしい情(なさけ)のかずかずを歌ひつくすそは人の知らないさびしい情慾 さうして情慾です...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...情慾と逸楽に充ちあふれてゐることだらう!ええと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...――情慾の発作に駆られた時には...
牧野信一 「サロメと体操」
...情慾の力強さ、其の持つ歓びと怖れと悲しみの錯綜した経験などは、其に実際当って見なければ、其がどれ程まで霊と密接なものであり、畏るべきものであるかと云うことは分るまい...
宮本百合子 「黄銅時代の為」
...私はときたまの仕方のない情慾の他は、なにひとつ女に強制したのでもなく、その情慾すら、ほとんどは女への過剰なおつきあいの精神、目の前にいる相手への弱さから、いわば「強制」させられているのだ...
山川方夫 「愛のごとく」
...情慾とはみんな別物です...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...生きている瞬間の楽しさとなって身内に静かな情慾さえ次第に高まって来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...情慾の対人(あいて)か...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??