...そして半泣きの顔にニッと悦びの笑(え)みを浮べ...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...鴨下ドクトルの悦びは...
海野十三 「蠅男」
...――ぽつちりしか持つてまゐりませんでしたから……」おくみはお客さまがそれを珍らしさうに沢山召し上つて下さるのを悦びながら台所へ取りに行つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...ほんとうに悦びなさったの?」「ほんとうに悦びなさったよ」「そう...
永井隆 「この子を残して」
...悦びで有頂天になつた自分の姿が...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...五美しいお鯉――わたしは手箱に秘めてあったものが、ほどへて開いて見たおりに、色も褪(あせ)ずにそのままあったように、安心と、悦びと、満足の軽い吐息が出るのを知った...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...憤りでもなく、悦びでもなく、また悲しみでもないただ無暗と激しい向日葵の花のやうな激情が、私に、私のステツキを、刃向ふものとてもない虚空に向つての水車のやうな剣と擬せしめて、嘆けるアハヴのそれに等しい剣舞を強ひるのであつた...
牧野信一 「疑惑の城」
...若者の秘やかな悦びだつた...
牧野信一 「パンアテナイア祭の夢」
...吾々に悦びのプロージツトを挙げしめた...
牧野信一 「三田に来て」
...夫婦も世話甲斐(がい)ありとて悦びしが不思議な事には大原がその後一向顔を見せず...
村井弦斎 「食道楽」
...仕事は悦びで為されるよりも...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...天才を讃美することも吾々には一つの悦びなのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...愛に悦び人情に潤(うる)おう生活が...
柳宗悦 「民藝四十年」
...かくして二人はいつも共に悲しみや悦びの世界に歩む...
柳宗悦 「民藝四十年」
...働く人からとかく悦びを奪ってしまいます...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それでなければ米の飯をひどく欲しがりまた焚火(たきび)を悦び...
柳田国男 「山の人生」
...さぞ悦びましょう」荒れ果てた部屋だが...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...深い印象を残し得たのを生涯の悦びとする...
山本笑月 「明治世相百話」
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