...道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれば...
饗庭篁村 「良夜」
...首を振って悦びの色を示した...
海野十三 「深夜の市長」
...ドクトルは悦びの色を浮べ...
海野十三 「地球盗難」
...唯もうその悦びの極致がかなしく死と結びついてゐるやうなデリケエトな感受性に溺れる年齢であつた...
武田麟太郎 「現代詩」
...「斯様(こんな)にうまい水瓜をはじめて食べました」とS女に悦びをのべたのでした...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...悦びであることを悟りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...でかしたり、あつぱれなるぞ!とステパン王は、いと打ち悦びて、彼ひとりに、全軍が賜はるに等しき扶持を与へ、尚そのうへに本人の、望みの土地の領主に封じ、欲(ねが)ひのままに家畜も与へ給ひけり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...それをめぐるものゝ中に新らしく甦(よみがへ)つた悦びを話してゐたときに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私が初めて味はふ一種の晴れやかな悦(よろこ)びがあつた――趣味と感情と主義の完全な一致が齎らす悦びがあつたのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...七郎は胸におさえきれぬ悦びを...
牧野信一 「月下のマラソン」
...その場のことは記憶にないが(作家にとつての最大の悦びは...
牧野信一 「交遊秘話」
...いきなり私の首に抱きついて悦びの接吻を浴せた...
牧野信一 「痴酔記」
...若しその時あなたの胸に音楽を聞いた後のやうなさはやかな悲しみと悦びとが烟りのやうに残つたならば...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...男も大いに悦び伴(つ)れ帰って女房にした...
南方熊楠 「十二支考」
...そうして吾々の労を助け、用を悦び、生活を温めてくれる...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そのため仕事に悦びが伴ったり...
柳宗悦 「民藝四十年」
...猟師労無くして獲物多きことを悦び...
柳田国男 「山の人生」
...さぞ悦びましょう」荒れ果てた部屋だが...
山本周五郎 「おもかげ抄」
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