...其處に悦びがあるのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...さうしてすぐに其悦びの羞を氣づいたか...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...老縣主は悦びに堪へざる面持にて...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...保養院に於ける居士は再生の悦びに充ち満ちていた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...秋聲小劍二氏は言下に、聲をそろへて、「いや、炬燵は入らない」と、云つてのけたが、私だけは、大悦びで、「うむ...
近松秋江 「初雪」
...ただ生成の悦びに酔う...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...もう一ど今夜の悦びを繰り返したい...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...愛と悦びとを殺して悲しみと呪ひとにみちた仕事をした...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...この理想の人物を得て、君がいかに悦び、いかに驚異し、いかに滿足したかは想像するにかたくない...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...その時沢田は悦びのあまり...
牧野信一 「月下のマラソン」
...――丁度望遠鏡か何かで遠くの美しい景色を眺めてでもゐるかのやうな怠惰な悦びを感ずる...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...彼等は私達の馬車が到着したのを見つけると、一勢に天に冲する歓呼の声をあげて、悦び迎へた...
牧野信一 「ゾイラス」
...いつも俺に泣顔ばかり見せてゐる市民達の悦びの吟唱が聞き度いのだ...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...衆(みな)大いに悦び老人を賞賜したてふ事じゃ...
南方熊楠 「十二支考」
...と良人は悦びいさみ...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...共に悦び合いたいためにこの民藝館を建てたのです...
柳宗悦 「日本民藝館について」
...上人に逢うたことは真にオアシスを見出した悦びにも譬(たと)え得るでしょう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...私は自分のことのやうに悦びを覚えた...
柳宗悦 「和紙十年」
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