...悄然と立つてゐたことであらう...
芥川龍之介 「西方の人」
...自分は先に「悄然として塵塚の痩犬の如き一人物」と云つた...
石川啄木 「雲は天才である」
...母は水汲に出て行つた後で私は悄然と囲炉裏の隅に蹲つて...
石川啄木 「二筋の血」
...秋子が包みを持つて悄然(しよんぼり)立つてゐる...
犬養健 「愚かな父」
...悄然と彼のズボンに従(つ)いて屋内に入った...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...悄然(しょんぼり)としているように思われます...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...村の者の目にも悄然たる彼の姿は映った...
長塚節 「太十と其犬」
...少(すこ)し遠(とほ)くはぼんやりとして此(こ)れも霧(きり)の中(なか)に悄然(ぽつさり)と立(た)つて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...何と云つて弁解してもおのづと滅入り込んで行く胸の暗さを抱いて悄然としな垂れた彼の姿は惨めであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...彼はいつもにも似ない悄然(しょうぜん)とした口調で...
夏目漱石 「こころ」
...平次は悄然(せうぜん)として歸つて來ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夕殿蛍飛思悄然という句を選みだしたということには...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...悄然とせしかげ障子にうつりて...
一葉 「暗夜」
...悄然として出て行った...
火野葦平 「糞尿譚」
...われ一人悄然(しょうぜん)として顔を洗いに行ッた...
広津柳浪 「今戸心中」
...一隊の武士が悄然と頸垂(うなだ)れ勝ちに跫音も湿って帰って来た...
吉川英治 「剣難女難」
...「一家の内事、われわれの知ることではありません」「…………」劉は、悄然と、帰るしかなかった...
吉川英治 「三国志」
...数右衛門は、悄然となった...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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