...須世理姫は独り悄然(せうぜん)と...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...堀川保吉(ほりかわやすきち)は悄然(しょうぜん)とプラットフォオムの石段を登って行った...
芥川龍之介 「十円札」
...何と挨拶したら可いものかと胸を痛めながら悄然(しよんぼり)と歩いてゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...母は水汲に出て行つた後で私は悄然と囲炉裏の隅に蹲つて...
石川啄木 「二筋の血」
...悄然(しようぜん)新聞社の門を出たことがある...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...正造も悄然として項垂れていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ところが先に立った一郎は直ぐに悄然として...
田中英光 「箱根の山」
...芳子が低頭勝(うつむきがち)に悄然(しょうぜん)として後について来るのを見ると...
田山花袋 「蒲団」
...私は悄然(しょうぜん)と階段を登り...
永井隆 「長崎の鐘」
...けっして悄然(しょうぜん)たる姿ではなかった...
中島敦 「李陵」
...悄然(しょうぜん)として萎(しお)れる雨中(うちゅう)の梨花(りか)には...
夏目漱石 「草枕」
...さっきから、悄然と、地に潜る不景気な龍のことばかり考えて、気の滅入っていた金五郎は、マンの雄々しさに勇気づけられて、すこし、元気が出た...
火野葦平 「花と龍」
...悄然と市役所を出たのであった...
火野葦平 「糞尿譚」
...悄然(しょんぼり)として裏口から立戻ッて来る事も無いではないが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...今も今母親の写真を見て文三は日頃喰付(たべつ)けの感情をおこし覚えずも悄然(しょうぜん)と萎れ返ッたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...孤影悄然として独り地上に立つことになると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
...一隊の武士が悄然と頸垂(うなだ)れ勝ちに跫音も湿って帰って来た...
吉川英治 「剣難女難」
...悄然(しょうぜん)と拝礼した...
吉川英治 「三国志」
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