...其斷片を遶る不可見の大氣(アトモスフィーヤ)が極度の「悄然」であるのであらう...
石川啄木 「雲は天才である」
...少なからぬ「疲勞」の憔悴が此大氣をして一層「悄然」の趣きを深くせしむる陰影を作(な)して居る...
石川啄木 「雲は天才である」
...何と挨拶したら可いものかと胸を痛めながら悄然(すごすご)と歩いてゐた...
石川啄木 「天鵞絨」
...しかも今日来た時に気がついて私の上げて置いた見窄(みすぼ)らしい野生の花は悄然(しょんぼり)と淋しく挿さっている外(ほか)には...
橘外男 「逗子物語」
...悄然(しょうぜん)と櫟(くぬぎ)の下の径(こみち)に立て居った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼は孤影悄然とペテルブルグへ立ち去ったのだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...悄然(せうぜん)として後(あと)に跟(つ)いて來(く)る勘次(かんじ)を要(えう)はないからと巡査(じゆんさ)は邪慳(じやけん)に叱(しか)つて逐(お)ひやつた...
長塚節 「土」
...悄然(しょうぜん)とはしていたが...
夏目漱石 「坑夫」
...固より例の様な元気はなく悄然(しょうぜん)とした問い振りであった...
夏目漱石 「それから」
...仕方がないから悄然(しょうぜん)と茶の間の方へ引きかえそうとして風呂場の横を通り過ぎると...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...(とぼとぼと歩き出す)おはま (悄然として歩き出し...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...母はまだ門前に悄然(しょんぼり)と立っていた...
二葉亭四迷 「平凡」
...男も悄然(しょうぜん)として居る...
正岡子規 「句合の月」
...「夕殿(せきでん)に蛍飛んで思ひ悄然(せうぜん)」などと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...何の効(かい)もなく何れも夜が明けてから悄然(しょうぜん)と引上て来た...
山下利三郎 「誘拐者」
...悄然(しょうぜん)として...
吉川英治 「親鸞」
...悄然(しょうぜん)とその部屋から出て行った...
吉川英治 「旗岡巡査」
...悄然(しょうぜん)とばばが泣いている姿を見ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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