...悄然(しょうぜん)として入って来たが...
泉鏡花 「婦系図」
...まるで打って変ったように悄然として僕の方に顔をすり寄せた...
海野十三 「深夜の市長」
...悄然(しょうぜん)と入口に立ち現われた...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...俳小屋の机の前に坐つてゐる私は愈々孤影悄然としてをる...
高浜虚子 「椿子物語」
...妙に悄然(しょうぜん)とみえる彼女を送って...
田中英光 「野狐」
...爭ひかねて悄然とトアスうしろに引き返す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...孤影悄然(しょうぜん)として猶且つ悲しまざるが如きものもある...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...そのうえ本人が悄然(しょうぜん)としている...
夏目漱石 「三四郎」
...摺小木(すりこぎ)が並んで懸(か)けてある傍(かたわ)らに火消壺だけが悄然(しょうぜん)と控(ひか)えている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...悄然とした露子に相対した時...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...悄然(しょうぜん)とむなしい旅から戻って来た...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...悄然とせしかげ障子にうつりて...
一葉 「暗夜」
...キチンとタキシードの膝を折って孤影悄然と坐っているのは...
久生十蘭 「魔都」
...その一人の如きは丸で悄然(しよげ)かへつて居る...
平出修 「逆徒」
...悄然(しょうぜん)として景色を眺めつめているのを見ては...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...見る影もなく悄然(しょんぼり)となった彼女の...
夢野久作 「少女地獄」
...夜と共に悄然(しょうぜん)と落ちて行った...
吉川英治 「三国志」
...そして悄然と、二条から戻って来る頃、夜は白みかけていた...
吉川英治 「源頼朝」
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