...夫が俄然(がぜん)息を詰めて階下の茶の間に注意を凝らし始めたらしく思われる...
谷崎潤一郎 「鍵」
...奥畑が枕元にじっと息を詰めているので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「え?………」途端に息を詰めて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...幸子たち三人も妙子の寝台の周囲に戻って息を詰めていたけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...滋幹はとある塚のうしろに蹲踞(うずくま)って息を詰めていたのであったが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...お宮の方に向き直って何か言わねば気が済まぬのをじっと息を詰めて耐(こら)えていた...
近松秋江 「うつり香」
...こうして息を詰めて仕事にかかるがものはねえんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...謙一も中堀も埼子も呆氣にとられて息を詰めてゐた...
林芙美子 「就職」
...息を詰めて泣いていた...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...しばらく息を詰めて...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...一生懸命息を詰めて見ておりました...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...少しも声をあげない、息を詰めて、殆ど捨て身の動作で、遮(しゃ)二無二斬り込み、斬り込み、そして斬り込んだ...
山本周五郎 「つばくろ」
...息を詰めて彼の顔を見まもった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...私は眼を伏せ息を詰めてその音色の奥底に含まれている...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...シャックリ息を詰めて行きよります...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...息を詰めて眼ばかりパチパチさして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...又は水に潜って息を詰めている一分間と...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私は息を詰めてこの光景を見まもった...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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