...お敏は次第に眼が据(すわ)って、手足をぴくぴく引き攣(つ)らせると、もうあの婆が口忙しく畳みかける問に応じて、息もつかずに、秘密の答を饒舌(しゃべ)り続けると云う事です...
芥川龍之介 「妖婆」
...冬は老いて春は来ない――その壊(こわ)れ果てたような荒涼たる地の上高く、寒さをかすかな光にしたような雲のない空が、息もつかずに、凝然として延び広がっていた...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...そして屡々止め度なしに息もつかずに食べる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...息もつかずに言って...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...正造は息もつかず畳こむ調子で「しかるに農商務大臣になると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...息もつかずに飲み干しているような気がする...
寺田寅彦 「芝刈り」
...クリストフはもう息もつかず...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...長吉は外目(よそめ)も可笑(おか)しいほどにぼんやりしていた事などを息もつかずに語りつづけた...
永井荷風 「すみだ川」
...息もつかずまくし立てるので...
中里介山 「大菩薩峠」
...……」そう息もつかずに云いながら...
堀辰雄 「菜穂子」
...然しひるまず私は息もつかずに跳(と)びあがると...
牧野信一 「ゼーロン」
...」筒井は息もつかずに詫(わ)びた...
室生犀星 「津の国人」
...――水戸屋敷のところまで息もつかずに走り...
山本周五郎 「桑の木物語」
...息もつかず合戦を開始しているのに...
吉川英治 「源頼朝」
...息もつかず登りつめた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...息もつかず、また、避けた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...(さ! どッちを追おうか?)ふたりの足は、刹那にちょっと譲り合ったが、波越が一散に深編笠を追い捲(まく)って行ったので、加山耀蔵は、いきなり横ッ跳びに逃げ出した、藍弁慶の町人を、遮二無二、息もつかずに、追い詰めて行った...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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