...自分は多くの友人から思ひがけない宥恕と尊敬とを受取ることゝなつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...然しそれらには恕してやつて可い理由がいくらもある...
石川啄木 「文藝中毒」
...徳義上まだしも恕(ゆる)すべきである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それもまた恕すべき節がないではない...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...尚オ、余ハ無情ナル父親タリシコトニツイテ、彼ノ寛恕ヲ乞ウ...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...止む得なかつたこととして御諒恕を乞ふ次第である...
時枝誠記 「国語学と国語教育との交渉」
...学問の公共性からいって多少とも寛恕されることだと思っての申し出でだったのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...場合によっては恕すべき点がある...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...恕すべく或時は貴(たっと)むべきものであるかも知れないけれども...
夏目漱石 「模倣と独立」
...ヒトラー氏の信義に悖る行動を恕すことができないのだと書いてあつたさうだ...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...有(あり)がたう御座(ござ)いますと澄(す)まして行(ゆ)く顏(かほ)つき身長(せい)さへあれば人(ひと)串戯(じようだん)とて恕(ゆる)すまじけれど...
樋口一葉 「わかれ道」
...(四月四日)恕堂(じょどう)が或日大きな風呂敷包を持て来て余に...
正岡子規 「墨汁一滴」
...目黒道琢、名は某、字は恕卿である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...馬屋原成美、字は伯孝、初め周迪と称し、後恕庵と改め、又父祖の称玄益を襲いだ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此書は宋の李知先(りちせん)の「歌括証論」と元の呉恕(ごじよ)の「指掌図式」とを合併したもので...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...おほよそ造語はその既往の歴史を以て人の寛恕を得べき權利なきものなれば...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...慈悲にも寛恕にも...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...上様の御仁恕(じんじょ)も...
吉川英治 「大岡越前」
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