...その毒の恐ろしさを知りぬきながら...
有島武郎 「或る女」
...恐ろしさに震え上った...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...ついには――あまりの恐ろしさに彼は身震いした...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...地球と一緒に、或夜父の家を出づれば夜は悲し代々木の原の上に涯しなく高く闇は佇み、落ちかゝり星の光りも僅かに力無し土手の上の線路の側を人は徘徊し悲しく犬の遠吠は聞え使に出された小き女中が土手の下の闇をすれちがひ走りぬ白き犬と共に、散歩する人巣鴨の奧の片田舍日かげ照り添ふ畑道を用も無い身の冬仕度せる人、散歩せりその一人々々は異樣なり近づくのが恐いやう年代を經し無慘なる印象その身を包む外套のかげより現はれたりその顏の立派さ、恐ろしさ...
千家元麿 「自分は見た」
...いゝお天氣ぢやありませんか」と照ちやんは熱にほてつた春三郎の顏を恐ろしさうに見た...
高濱虚子 「續俳諧師」
...さうすると酔はないよ』『えゝ』次第に船の動揺の強くなるにつれて、姪はしつかりと船縁(ふなべり)を手で押へたり、恐ろしさうに、または何うにもならない危険を避けるやうに、私の方にその身を寄せて来たりした...
田山録弥 「ある日」
...恐ろしさのあまりに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...本当に神をでも涜したような恐ろしさを覚えた...
豊島与志雄 「神棚」
...恐ろしさのあまり私は床板の上に寝て...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...つまり頭の恐ろしさに過ぎないんだろう...
夏目漱石 「行人」
...ぢつとしてゐたら間違ひもなく頭から煮え湯を被つたことでせう」お雪はその時の恐ろしさに顫へながらも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...また恐ろしさに身震いもさせた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...あらゆる悲しさや恐ろしさが過敏になった心に渦巻きたって...
宮本百合子 「黒馬車」
...その年寄に近づく死の恐ろしさを充分にあじあわせてから...
山本周五郎 「季節のない街」
...ただ漠然とした恐ろしさ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...大動脈瘤……」私は動脈瘤の恐ろしさを知っていた...
夢野久作 「冥土行進曲」
...真剣になってその恰好の恐ろしさを説明する位であるが...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...その秘密が大きいほど恐ろしさも大きい...
吉川英治 「茶漬三略」
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