...かの女がさう云ふことに對して有する恐れだけは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...かれは自分の舟の本国に向つて航しつゝあるのを恐れた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...アイヌがはなはだ恐れきらっているという記録は...
知里真志保 「あの世の入口」
...他の同種のものに対しても無感覚になる恐れがある...
寺田寅彦 「案内者」
...時刻が後れては恐れありと...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...」庸三は病院中の噂(うわさ)になることを恐れていたし...
徳田秋声 「仮装人物」
...声を立てたりなさらないで(旦那は声を立てることをひどく恐れていらっしゃいますので)...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...また向こうでもそれを恐れる不幸な女たちを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...モンパルナスくらいに人に恐れられていた者はあまりない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...恐れているらしいのじゃ...
直木三十五 「寛永武道鑑」
...下手人はどんな細工をするかも解らないから」「ヘエ――」辰蔵は少し恐れ入った様子で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...向うでも私たちを恐れるかのように...
堀辰雄 「旅の絵」
...おれの恐れていたことが到来したのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...上(かみ)を恐れぬ所行として処置せられたのである...
森鴎外 「阿部一族」
...自分の欲望に引きまわされるのを恐れているのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...或る者は其議論の条理整然として敵すべからざるを恐れたり...
山路愛山 「明治文学史」
...刑部の家へ」「そればかりは、どうぞごかんべんを」奉行所以上に、刑部といえば、恐れるのだった...
吉川英治 「大岡越前」
...京の人々が魔のごとく恐れているところの天城の野武士木賊四郎(とくさのしろう)にちがいない...
吉川英治 「親鸞」
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