...閃めき來つて恍惚たる繪畫を點綴す...
石川啄木 「女郎買の歌」
...恍惚(うっとり)となったも道理...
泉鏡花 「婦系図」
...機関車あやつる火夫の姿に恍惚(こうこつ)として...
太宰治 「春の盗賊」
...皮肉にも恍惚(こうこつ)たる様子をした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...恍として前世を悟る思ひがある...
永井荷風 「里の今昔」
...幽麗な恍惚境に彷徨ふ有様を見よ...
野口米次郎 「能楽論」
...恍惚たる眼差でまたたきもせずに凝視していた...
久生十蘭 「海豹島」
...それが恍惚のときの狂熱の叫びであろうと有頂天の間の囈言(うわごと)であろうと...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...この地方に於て彼等と同じ魅力を私に次第に募らせた――そして彼等を恍惚(うつとり)させてゐるその同じ咒文は...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その不思議な音楽に恍惚としてゐる私の心地...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...恍惚たる物狂わしい欲望に燃えながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...黙って時計をさッきから見恍(みと)れていたが...
室生犀星 「後の日の童子」
...ほれぼれと見恍れてゐた...
室生犀星 「めたん子傳」
...恍惚(うっとり)と見送っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...美しきものに見恍(みと)れるときのような眼で...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼女は死を忘れて恍惚とした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いかにも恍呆(とぼ)けた返辞をして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...さっきから見恍(みと)れていた一人であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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