...古代文明が忽然と亡滅した原因は未だ明確にされていない...
...忽然(こつぜん)と岩の上に躍り上つて...
芥川龍之介 「杜子春」
...若し忽然として餓虎があらはれて彼を喰はむとしたならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...又此方の庭園の靜かな黒い木の間からは忽然として大きな滿月がほとんど地に觸れて靜かにせり上り早くも...
千家元麿 「自分は見た」
...かたよらぬ自然光で照らせば妙なブラッシの幽霊などは忽然(こつぜん)と消滅するであろう...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...彼が奇々怪々なる魔術をもって幻出したる武備の妖星は忽然(こつぜん)としてその光を失うやもとより論をまたざるなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...忽然(こつぜん)として天外より江戸湾の咽吭(いんこう)なる浦賀に落ち来れり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...忽然(こつぜん)川岸づたいに駈(か)け来る一人の女がハタとわが足許に躓(つまず)いて倒れる...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その冷徹にして厳刻なる氷雪の大音楽!厚さ数丈、長さ半里にあまる万年雪の凝晶体は、その表面に刻まれた、錯綜してしかも紛乱を来たさぬ、霊的線条を機縁として、忽然、無辺際空に轟き渡る一大楽曲に化成する……それも日光がひとたび直射するにおよんでは、暗く惨ましい岩の肌さえ、怪しく照りはえ、氷雪は一斉に白熱の痛光を放って、おもてを向くべくもない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...忽然(こつぜん)安井(やすゐ)の事(こと)を考(かんが)へ出(だ)した...
夏目漱石 「門」
...瑣談繊話(さだんせんわ)と思ってうっかりと読んでいたものが忽然(こつぜん)豹変(ひょうへん)して容易ならざる法語となるんだから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...忽然として悪者にさらわれるということは...
野村胡堂 「九つの鍵」
...ある日から忽然(こつぜん)と...
本庄陸男 「白い壁」
...同君の宅の庭に幾つか忽然と生え出たこの菌をうまいうまいと食べた一人であった...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...馬鹿に大きな顔が忽然(こつぜん)と現れて来る...
正岡子規 「ランプの影」
...忽然として次の行では作者はそのチャーリーに「収入が減ったって...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...ここに来ると忽然(こつぜん)として「先生の仰せある通り」という昔風の賢人崇拝に陥る懸念があった...
柳田國男 「地名の研究」
...忠節を尽して……」忽然...
吉川英治 「三国志」
...忽然(こつねん)と...
吉川英治 「新・水滸伝」
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