...「忰(せがれ)や...
ハンス・クリスチャン・アンデルゼン Hans Christian Andersen 菊池寛訳 「醜い家鴨の子」
...忰(せがれ)、思いつきは至極じゃが、折から当お社もお人ずくなじゃ...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...忰から「なんでソノ古谷さんの方だけ出来なかったのか...
犬田卯 「荒蕪地」
...舟におります」「家はどこだな」「鳥羽(とば)の近くでございます」「鳥羽の近く」父親はそう云いながらまだ飯(めし)を喫(く)わずにいる忰(せがれ)に気が注(つ)いた...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...世話をしてやろうじゃありませんか」父親は忰(せがれ)の顔を見た後(のち)に女の顔を見た...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...どうか寝ておってくださいませ」「それでは横になろう」父親は横になると忰(せがれ)も横になった...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...父親と忰は陸(おか)の方に耳を立ててみたり...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...忰の顔を見ても忰ということが分らないと云った風な性質のものらしい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...円顔で色の黒い忰(せがれ)の御牧とは少しも似ていないようであるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...いつでも結局この忰(せがれ)を自分の思い通りに動かしているのだった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...忰が好きなものならば...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...「忰ですかね...
徳田秋声 「躯」
...ある時、親爺が忰(せがれ)に向って、忰や、いま向うを通ったのは八百屋の伝兵衛さんではないか、とたずねたところが、その忰が言うことには、なあに、お父さん、あれは八百屋の伝兵衛さんですよ、それを親爺が受取って、すました顔で、そうか、おれはまた八百屋の伝兵衛さんかと思った――という小噺(こばなし)を、この際道庵が思い出したから、それで不意に高らかに笑いを発したので、まあまあ、おたがいの勘違いのままで任せておいてみろ、宜(よろ)しきに引廻してくれるだろう、という気になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたくしめらも忰(せがれ)や娘に先立たれ...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...その忰である圓朝の花やかな道具噺の...
正岡容 「小説 圓朝」
...今村信雄君にも忰分啓夫にも勧められていたのが...
正岡容 「わが寄席青春録」
...忰を日蔭物(ひかげもの)にしないようにしなければならぬ...
夢野久作 「爆弾太平記」
...おまけに酌をしている忰の友太郎を捕まえて...
夢野久作 「爆弾太平記」
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