...忰(せがれ)が学士だ先生だというのでも...
泉鏡花 「婦系図」
...隣りの小忰は急に鋸をやめた...
薄田泣菫 「茶話」
...海に巧者な船頭さんの云うことじゃ」父親はやっとこさと胴の間(ま)へ入って忰(せがれ)の前へ坐った...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...「大丈夫ですよ」忰は父親よりも女に聞いてもらいたいと云うような気もちで...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...忰は己(じぶん)の舟の船頭の来ている家でないかと思ったが...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...すこしあなたに」忰はなるたけ落ちついていようと思った...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...父親と忰の耳へ間もなく崖の上あたりでする人の話声が聞えた...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...忰(せがれ)の敦忠も管絃の名手で...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...忰と猫とは二階でしんみり暮らさなければならなかつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...母ハ自分ノ忰ニ浄吉ト云ウ孫ガ生レタコトハ知ッテイタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...忰(せがれ)を側(そば)へ呼びたくなったのと...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...忰の方も一緒にお供養下すって...
徳田秋声 「躯」
...この店の忰(せがれ)なり...
永井荷風 「桑中喜語」
...老いて盲目(めしい)となり忰(せがれ)虎蔵の世話になり極楽水の裏屋に住ひゐたり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...」とたんに祭司の忰は肉入団子(ワレーニキ)を咽喉(のど)につまらせてしまつた……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...初めて先年無礼討にした酒癖の浪人黒川孝蔵の忰であったか...
正岡容 「我が圓朝研究」
...一度忰(せがれ)が牧牛場から夥しく蠅を取り...
南方熊楠 「十二支考」
...今では吾輩の忰みたようなもんだ...
夢野久作 「爆弾太平記」
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