...不用意にも女を捕えてじかづけに病気の種類を聞きただす男の心の粗雑さを忌みながら...
有島武郎 「或る女」
...そしてそこには進歩とか創造とかいう動向の活躍がおのずから忌み避けられなければならない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...正造はしばらく黙想していたが――世をいといそしりを忌みて何にかせん...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その幼き弟妹(はらから)二人は病める姉をなつかしがりて、しばしば母に請えど、病を忌み、かつは二人の浪子になずくをおもしろからず思える母は、ただしかりてやみぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...彼れは最も党人を忌み...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...忌みきらっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...忌みきらっていたのが...
蜷川新 「天皇」
...かえってこれを忌み嫌うの念を起こし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...この坂は俗に貧乏坂と称ばれて近在の人々にこの上もなく忌み嫌(きら)われている...
牧野信一 「ゼーロン」
...こは仏(ほとけ)の座(ざ)とあるべきを縁喜物(えんぎもの)なれば仏の字を忌みたる植木師のわざなるべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ギリシアの酒の神ジオニソスは梟(ふくろう)を忌み...
南方熊楠 「十二支考」
...因って白犬と呼ばるるを忌み...
南方熊楠 「十二支考」
...土耳其人はアリ父子を魔の如く忌み...
南方熊楠 「詛言に就て」
...物忌みの忌日の特徴をつけ...
柳田国男 「故郷七十年」
...今日は新嘗(にいなめ)の祭りで家中が物忌みをしていますから...
柳田國男 「日本の伝説」
...この記事を忌み嫌われる方々は...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...忌み嫌う容子を見せた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...卑しさそのものを忌み貴さそのものを尚ぶ道徳である...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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