...妖怪そのものに心酔している中世的神秘家なのだ...
江戸川乱歩 「悪霊」
...うっとり心酔してしまうのでした...
太宰治 「おしゃれ童子」
...けれど、かれは、西鶴に心酔して、それから得て来たものは西鶴の文章ばかりであつたと同じやうに、矢張ナチユラリズムの内容といふものよりは、この描き方などの方にのみ心を惹かれて居たらしかつた...
田山録弥 「尾崎紅葉とその作品」
...という思想に心酔していたエフィム・ペトローヴィッチの...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...クリストフをたまらない男だと思った心こんな卑しい煩わしい友にオリヴィエがどうして心酔してるか理解できなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフの音楽に心酔してると自称していた――(というのは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...オリヴィエが心酔していた書物...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...山田自身もあの小話には心酔して読み耽ったものであった...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...その秘法に心酔して...
中里介山 「大菩薩峠」
...コウいえば米国に心酔して来たという人があるかも知れぬが...
新渡戸稲造 「人格を認知せざる国民」
...団十郎の芸には心酔している言いぶりだった...
長谷川時雨 「市川九女八」
...しかし当時すでに学良周囲の若い要人達は、欧米に心酔して、自由主義的立場にあって、学良もまたこれらの者をブレインとして重く用いていたので、学良の恐日は、漸々と排日に変移し、ついには侮日とまで進んでいった...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...これまで情熱に心酔して登りつめていた高所に踏みとどまることを許さなくなった...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...漱石龍之介に心酔してゐる退役軍人の息子などもあつて宵々のその文学談はなかなかに勢ひ込んだかぎりのものだつた...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...わたくしは初め馬琴に心酔して...
森鴎外 「細木香以」
...私たちは時代離れに心酔してはならない...
柳宗悦 「日田の皿山」
...お上が水戸中将(光圀(みつくに))さまに心酔していらっしゃることは知らぬ者はないだろう...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どこの国に心酔して行ったというわけでもなし...
横光利一 「旅愁」
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