...娘にも「心得違いをなさるなよ」と一言を残して警察署を立ち出でしが...
饗庭篁村 「良夜」
...心得違いの気の入れどころが顛倒(ひっくりかえ)っていたのであるから...
泉鏡花 「薄紅梅」
...月の劇場の木戸口ぐらいな心得違いをしていた私たちは...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...心得違いをいたしました...
泉鏡花 「婦系図」
...と心得違いをしていたので...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...お前心得違いをしてはならないよ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...自国の服装を卑下するのは大変な心得違いだと思います...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...圭吾も心得違いしたものだが...
太宰治 「嘘」
...何という心得違いをいうぞといった○春松検校の家は靱(うつぼ)にあって道修町の鵙屋の店からは十丁ほどの距離(きょり)であったが春琴は毎日丁稚(でっち)に手を曳(ひ)かれて稽古に通ったその丁稚というのが当時佐助と云った少年で後の温井検校であり...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...以上の点に心得違いがあったからで...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...後自分を上帝同等に心得違い...
南方熊楠 「十二支考」
...いわゆる心得違いのために...
森鴎外 「高瀬舟」
...それをことごとく空閑の転訛もしくは心得違いと見ることは容易でない...
柳田國男 「地名の研究」
...心得違い……めさるなッ」危うく右へ飛び退(の)いた平馬は...
夢野久作 「斬られたさに」
...その被害少年の心得違いである事無論であるが...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...卑怯者め、心得違いな奴め、恥知らずめ、醜い奴め、早くご前からその浅ましい姿を失せおらぬか」と蔑(さげす)むごとく、叱る如く思われた...
吉川英治 「剣難女難」
...心得違いのないようにというお諭(さと)しを受けて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...ばばもまた、あれ以来は、(きょうまでの、わしが罪と、心得違いより、そなたを不幸にした償(つぐな)いには、きっと、武蔵どのへ、ばばが両手をついて詫びても、そなたの身を、よいように頼んで進ぜるぞよ)そういって、一族の者はもとより村の誰彼(たれかれ)へも、お通と又八との、かつての古証文は、きれいに破棄して、やがてお通の良人たる人は、武蔵でなくてはならないと、自分の口からいうほどに変っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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