...僕は時として自分の弱點を――他人に見せるためではなしに自分一人の心底から――嘲弄せずにはゐられないやうな心持になる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...生みの父親が心底から厭だと思ふ事は...
犬養健 「愚かな父」
...叔父さんもこんどは心底から閉口だろう...
太宰治 「新ハムレット」
...」と心底から感歎の声を放つ...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...鼻にしみ込んだこの引き出しのにおいが抜けない限り心底から新しくなりようがない...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...とうとうまったく心底から腹を立てるようになってしまうのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...わたしは心底から確信していたが(いくらロマンチシズムで一杯になっていても...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...いくら飲んでも心底から酔っ払いはしないというかどで...
豊島与志雄 「交遊断片」
...私は心底から悪い女ではないんです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...と心底から驚いたかも知れません...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたしには心底からの戦ひは求められなかつたのだ...
牧野信一 「浅原六朗抄」
...ぽかぽかとして……」「悪るかつたなあ!」私は心底から恐縮して相手の顔も見られず...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...私は心底から有りがたくなつて...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...じめじめとする暑さにとり逆せて心底からの憤激に炎えあがつた...
牧野信一 「創作生活にて」
...ただ一人密かに心底から寂しくなつてしまふのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...心底から夫人への償いに動かされているというよりは...
矢田津世子 「女心拾遺」
...心底から復讐の意などはないかも分りませぬぞ』『ただ惧(おそ)れるのは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...まして、心底から、全身を捧げて恋いしたった夢にも忘れ得ぬ葉子に、無残にも愛想づかされた激しい言葉は、毒針のように、脳天から突き通ったのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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