...と心底から涙……が可笑しい...
泉鏡花 「遺稿」
...」と心底から感歎の声を放つ...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...なぜだか知らないけれど、わたし心底から、あなたが親身(しんみ)なかたのような気がしますの...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...とうとうまったく心底から腹を立てるようになってしまうのだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...心底からうぬぼれているのだろうか? もし彼がこの将軍気取りでわたしを侮辱しようとおもっているだけなら...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...心底から左袒(さたん)する...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...私は心底から悪い女ではないんです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...山田は姉と逢へば心底から快活に打ち解けて居た...
長塚節 「開業醫」
...生涯決してまだ大家と呼ばれる人々の門に膝を屈したことはないと壯語しつゝあつた故人が心底から服從した根岸の先生に對しては我執を沒却し得たのは當然のことである...
長塚節 「記憶のまゝ」
...誰も決して心底から常にその意見に同意したことはなかった...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...更に心底からの嘆息を洩した...
牧野信一 「鱗雲」
...彼は私がかような重荷を持って苦労しなければならない今日の行程を心底から同情し...
牧野信一 「ゼーロン」
...無論ほんの座興であつたにも拘らずそれを真にうけて女の来るのを待つてゐたと思はれては堪らない――さう思つて私は心底から慄然としたのです...
牧野信一 「晩春の健康」
...心底から感情に支配される如き思ひもなく...
牧野信一 「病状」
...心底からの憎しみではなしに...
牧野信一 「裸虫抄」
...人に心底から礼を述べさせるということを一度でもしてみたいと思うようになったのもそのときからだ...
横光利一 「機械」
...そして心底から湧く實意はよく汲み取ることの出來る人だと...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...まして、心底から、全身を捧げて恋いしたった夢にも忘れ得ぬ葉子に、無残にも愛想づかされた激しい言葉は、毒針のように、脳天から突き通ったのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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