...机博士が、朝早く一度、前を往復する...
海野十三 「少年探偵長」
...同じ道を往復するを好まずば...
大町桂月 「十和田湖」
...政雄は郊外の町と市の間を往復することになった新設の乗合自動車会社へ紹介せられて往ってみるとすぐ相談が出来た...
田中貢太郎 「女の怪異」
...たまに一日往復するさえこんなに大儀であるのにと思うと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今あなたのおっしゃった通り月に三十回往復するとして...
谷崎潤一郎 「途上」
...椅子(いす)に腰かけたままじっと耳をすまして楽器と天井の間に往復する音波の反響(リヴァーベレーション)に聞き入っていた瞬間の姿である...
寺田寅彦 「二十四年前」
...一見+と−との両側に無秩序に往復するように見えるかも知れない哲学の諸特徴を吾々は...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...毎日、往復するのには、あまり愉しい道とは言い難い...
外村繁 「落日の光景」
...冬服の気温から単衣一枚の気温に至る間を、幾度も往復する...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...私は永代橋(えいたいばし)を渡る時活動する此の河口(かはぐち)の光景に接するやドオデヱがセヱン河を往復する荷船の生活を描(ゑが)いた可憐なる彼(か)の「ラ・ニベルネヱズ」の一小篇を思出(おもひだ)すのである...
永井荷風 「水 附渡船」
...論談往復すること一日一夜である...
中里介山 「法然行伝」
...つまり箱の内部を人が一つ/\と運んで往復するのである...
長塚節 「旅の日記」
...互にその郷里から書簡を往復するやうな間柄になつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...……一日で江戸と小田原を楽に往復するというえらい早足なんだが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...遊覧汽車へ乗(のっ)て往復するのも大概主人ばかりが多い...
村井弦斎 「食道楽」
...僕が小菅へ往復する人力車を留めて...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...伊兵衛はその小田原町の家と店とを往復する以外には...
山本周五郎 「寒橋」
...よもや気付かれはしまいと思ったが、思い出すたんびに頭の毛がザワザワして仕様がなかったので一旦、材木を積んで深川へ帰ってから、一杯酒を飲んで、モウ一度、往復するために、手拭(てぬぐい)で下顎を覆面して深夜の京浜国道を下った...
夢野久作 「衝突心理」
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