...人道を往き来する人々も...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...里人は一寸往き来するにも舟による方が便宜なのである...
高濱虚子 「古江」
...紀州街道に沿つてゐて皮肉にも住吉堺あたりの物持が自動車で往き来するので...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...彼はせわしげに街を往き来するひとびとへいちいち軽い会釈をして歩かねばならなかった...
太宰治 「猿面冠者」
...むこうの山へ往き来する路に...
田中貢太郎 「狼の怪」
...酌はしないで往き来するだけが...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...往き来する友だちもなかったようでしたし...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...往き来するといっても...
豊島与志雄 「絶縁体」
...伊折の村と往き来する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...鼻たれの兄と呼ばるゝ夜寒かなふと眼を開けば夜はいつしか障子の破れに明けて渋柿の一つ二つ残りたる梢(こずえ)に白雲の往き来する様など見え渡りて夜着の透間に冬も来にけんと思わる...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...いく度(たび)となく往き来する日本人を...
森鴎外 「舞姫」
...そしてせわしなく往き来する洋服の人びとと自動車の洪水...
山川方夫 「ジャンの新盆」
...ときたま往き来する人たちも...
山本周五郎 「青べか物語」
...忙しげに往き来する廊下を通り...
山本周五郎 「落ち梅記」
...いそぎ足に往き来する人の姿が...
山本周五郎 「風流太平記」
...御蔵前(おくらまえ)にある佐野正(さのしょう)の店へ仕事のために往き来するおせんはそのほうを心配していたし...
山本周五郎 「柳橋物語」
...緑の葉の間を楽しそうに往き来する...
和辻哲郎 「樹の根」
便利!手書き漢字入力検索