...我は穉(をさな)かりしとき寫しつる畫など取り出でゝ、み館にもて往き、小尼公に贈るに、しばしはそれもて遊び給へど、幾程もあらぬに破(や)り棄て給ふ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...直ちに黒衣が許へ走り往きつ...
巌谷小波 「こがね丸」
...彼はせわしげに街を往き来するひとびとへいちいち軽い会釈をして歩かねばならなかった...
太宰治 「猿面冠者」
...哲郎は何かたべ物でも買って往きたいと思いだしたが...
田中貢太郎 「青い紐」
...遊びに往きよったから」暫時の間何人(たれ)も口を開ける者がなかった...
田中貢太郎 「蟹の怪」
...何もかもが往きとどいておる」父親は女にあいそを云い云い燗鍋(かんなべ)の酒を...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...その日の汽車で出発して長崎へ往き...
田中貢太郎 「長崎の電話」
...三四人の者は奈良県の寄宿舎の下の高い崖の方へと往きかけた...
田中貢太郎 「変災序記」
...一夜島田三郎君の所に往きまして...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...それでございますから元の通りには往きませぬが...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...彼は二三度その前を往き来して...
豊島与志雄 「反抗」
...順一と秋子との間を往き来した...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...今すぐに往きます...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...可哀想(かいそ)な、おのしも、しっかりハタリとられるこったろうよ」烏丸中納言は奇人の聞えの高いお公卿で、毎年四月、日光例幣使の副使として、往きは中仙道、帰りは江戸をまわって東海道を通るが、両便と泊りのほか、いつも横になって眠っているので、名所はもとより、いまもって宿駅の名も知らない...
久生十蘭 「奥の海」
...すなわち婆羅尼斯に往き王の園苑中に住(とど)まる...
南方熊楠 「十二支考」
...しりへなる広き方へ往きぬ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...林亭は李が夕(ゆうべ)に望を懐(いだ)いて往き...
森鴎外 「魚玄機」
...往きも帰りもふくれっぱなしだった...
山本周五郎 「ちいさこべ」
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