...彼此するうち半月餘りも經つて兄弟とも大分下宿の事に馴れた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...彼此混ずべからず...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...長いあひだ彼此(かれこれ)三十年ものあひだ...
徳田秋声 「町の踊り場」
...村はもとより他村の老若男女彼此四五百人も...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...風が惡くて天草の島に彼此十日も舟がかりした...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...彼此九時頃であつただらう...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...彼此八時頃でもあつただらう...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...あなたは警察や裁判所から彼此言はれる事があるかも知れない...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...それ故内容などに就いて彼此れ野暮な詮索をしないことだ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...我から我他彼此(がたびし)の種子(たね)を蒔(ま)く……文三そうは為(し)たく無い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...我他彼此(がたびし)するのが薄々分るので...
二葉亭四迷 「浮雲」
...其を彼此(かれこれ)言うと...
二葉亭四迷 「平凡」
...彼此(かれこれ)取紛(とりまぎ)れて不覚(つい)其儘になっている一方では...
二葉亭四迷 「平凡」
...木偶の様に口一つ利かないで行った重三の気の利かなさを彼此れ云った丈で...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...単調な明暮に倦いて居る者は好い事にして騒がしく彼此と噂して居た...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...もとより彼此(あれこれ)を書きこなせる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...淀川十里の間あし茅(かや)の深き処、浅瀬の船底石に摩(す)る処、深淵の蒼みたるところ、堤に柳ありて直曲なる処、野渡(やと)のせばき処、遠き山見るところ、近き村ある処、彼此観望する間、未後大坂城を前に望て、遂に過所町(くわしよまち)の河岸に著く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...彼此(かれこれ)するうちに寛永九年になつて...
森鴎外 「栗山大膳」
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