...彩りたる紐は姫が前に翻(ひるがへ)りぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...其金色の衣を目も眩(くらめ)く許(ばかり)に彩り...
石川啄木 「葬列」
...その癖、傍(はた)で視(み)ると、渠が目に彩り、心に映した――あの(ろう)たけた娘の姿を、そのまま取出して、巨石(おおいし)の床に据えた処は、松並木へ店を開いて、藤娘の絵を売るか、普賢菩薩(ふげんぼさつ)の勧進をするような光景であった...
泉鏡花 「瓜の涙」
...旧き獅子頭のみにて些(いささ)かの彩りなく...
中山太郎 「獅子舞雑考」
...樺太の南半は「北蝦夷地」と書いて日本領に彩り...
服部之総 「望郷」
...小さな不自然の色彩りが...
牧野信一 「小川の流れ」
...その色彩りの挿画は...
牧野信一 「余話」
...その色彩りの挿画は...
牧野信一 「余話(秘められた箱)」
...彩り多く夢深かりし彼がひと日ひと日の姿絵をばここにかかげ...
正岡容 「圓朝花火」
...だがなるほど、この方がほんとうだ! 魂の問題からいってもずっとほんとうで芸術的だ!それが春信や栄之の淡い浮世絵は、ついに時代とともに朱の卑しき五渡亭が錦絵となったがごとく、後年眉を彩り、衣装をまとい、惜しみなく顔と五体を粉飾しつくして、やれ由良之助だ! 舌切雀だ! そうしてステッセル将軍だ! と、ずいぶん、お子供衆のおなぐさみにまで、推移していったものらしい...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...その鮮明さの彩りがなまなましいくらいに見えた...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...四そこにはとりわけて彩りもなく飾りもない...
柳宗悦 「雑器の美」
...郷土的薫り、地方的彩り、このことこそは工芸に幾多の種を加へ、味はひを添へる、天然に従順なるものは、天然の愛を享ける...
柳宗悦 「雑器の美」
...彩りもなく貧しき素朴なもの...
柳宗悦 「民藝四十年」
...……花火は次つぎと夜を彩り...
山川方夫 「昼の花火」
...娘の淋しい顔だちをひどく阿娜(あだ)に彩り...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...毒々しい彩りを並べたショーウインドに追いまくられて行く...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...明治に入っては薩長土肥のブル思想は東京を濃厚に彩り...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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