...当時は十二歳の児童なりしが...
芥川龍之介 「本の事」
...その当時は日露(にちろ)の関係も日米の関係もあらしの前のような暗い徴候を現わし出して...
有島武郎 「或る女」
...その当時は最善を尽したのだが今日見ると製作にまだ疎漏なものがある...
高村光太郎 「自作肖像漫談」
...空襲当時はまったく眼が見えなくなって...
太宰治 「たずねびと」
...入学当時は銭湯へ行くのにも学校の制帽を被り...
太宰治 「津軽」
...御大典(ごたいてん)当時は必ずしも然らざるべし...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...当時はすべてが社会学の天幕に覆(おお)われていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...当時はまだ日本語訳のなかった「カラマゾフ兄弟」などはひどく気に入ったようだった...
野村胡堂 「胡堂百話」
...当時はリズムやメロデーのある文章が嫌われ...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...塾生裸体当時は士族の世の中だから皆大小は挟(さ)して居る...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...引越した当時は、私の家の裏手はまだ一めんの芒原(すすきはら)になっていて、大きな溝(みぞ)を隔てて、すぐその向うが華族のお屋敷になっていた...
堀辰雄 「幼年時代」
...いかさま当時は鉛筆にて地蔵尊の尊体に記されてはありぬ...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...双方のめだまが裏返しになる(当時はまだ解剖学が未発達だった)とすると...
山本周五郎 「似而非物語」
...当時はカメオなど滅多に喫めなかった...
山本笑月 「明治世相百話」
...今は滅法珍重される清親の風景画も当時は西洋臭いとて一向さわがれず...
山本笑月 「明治世相百話」
...蜂須賀村の小六どのに――いや当時は彦右衛門といってあなたの幕下におられる由――あの仁(じん)にも...
吉川英治 「新書太閤記」
...とにかく武蔵が参加した実戦というのは、このように不明なものだが、関ヶ原とか大坂役とかいう大戦以外の、歴史面にも記録されないような小合戦でも、当時は、戦と見たことに変りはないから、或はそういう場合をも数えているのではあるまいか...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...当時は足利幕府の最盛期であったから...
和辻哲郎 「鎖国」
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