...珠子のことを引合いに出して諫(いさ)めたもんだが...
海野十三 「大脳手術」
...地図の上の白い――あるいは文化のある地点の一つとして印しづけられているアイルランドを引合いに出しうるだろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...同時に立派な鍛冶(かじ)でブリキ職でそして靴屋であった昔の名歌手(マイステルジンガー)を引合いに出して...
寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
...之は単に引合いに出しただけなのだから...
戸坂潤 「読書法」
...碁においてはもとより問題にならず」引合いに出された金公が苦(にが)い面をする...
中里介山 「大菩薩峠」
...茂太郎がいかに大学者を引合いに出そうとも...
中里介山 「大菩薩峠」
...今ここで米友が朝顔を引合いに出したのはどういう縁故かよくわかりませんが...
中里介山 「大菩薩峠」
...陵の祖父李広(りこう)の名を引合いに出して陵の善戦を讃(ほ)めた...
中島敦 「李陵」
...人殺しの引合いに出されるんでなきゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんなものへ俺を引合いに出すのか」「そんな心算(つもり)じゃありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ただどっちみち一般に知られていることだけを引合いに出すんです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...悪魔を引合いに出して老婆を罵った...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...例えば前にも引合いに出しました飛行機にしても汽船にしても...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...(b)或る男はプラトンやホメロスを引合いに出すが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...もしくは信仰の種々相が引合いに出されているが...
柳田國男 「地名の研究」
...なにか妙な神様みたいなようなものを引合いにだして誓っていたよ」「その人はどう云った」「たじたじだったね...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...そういう御思案から出たことですか」「どうして津川のことなど引合いに出すのだ」「お考えがうかがいたいからです」「おまえまでがおれにどならせたいのか」「たぶんそうなるだろうと思います」と登は冷静に云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...それならば両親によっく相談致しまして……」「お引合いにならば及ばずながら私が...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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