...その邑の建ちたる崖にまで曳き往けり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...両隣とは生垣で境した一軒建ちで...
江戸川乱歩 「心理試験」
...箱根離宮建ちたるまゝにて...
大町桂月 「箱根神社祈願の記」
...折角丸の内に建ち並んでいる屋根のうちで異彩を放っていたものを...
高浜虚子 「丸の内」
...今の丸の内の文明は先ず新開町の田圃の中に建物がぼつ/\建ちはじめた位の程度である...
高浜虚子 「丸の内」
...三十軒の家がばらばらに建ち並んだ...
田中英光 「箱根の山」
...借家普請(ぶしん)の新建ちで二階が三間に階下が四間前栽(せんざい)も何もない家で家賃五十五円と云うのですから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...・こゝに枯れたるこの木の冬となる(庵の枇杷樹)・大根漬けてから長い手紙を書く・ひなたはあたゝかくやがて死ぬる虫いつとなく草枯れて家が建ち子が泣いてゐるお寺の鐘が鳴りだしました蔦紅葉病めるからだをあるかせてゐるよ草の実よ虫なくや咳がやまないなんだか人なつかしい草はみのつてゐるみちあまりひつそりして死相など考へては十一月十一日のどかな晴れ...
種田山頭火 「其中日記」
...粉々にくずれた煉瓦(れんが)の堆積(たいせき)からむくむくと立派な建築が建ち上がったりする...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...五軒並んだ新建ちのうちの一つが...
徳田秋声 「足迹」
...六畳ひと間ながら私の家も建ち...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...畠の中に建ちて、そのシグナルも風に吹かれ、荒寥たる田舍の小驛なり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...第二句はそのころ建ちそめた無線電信局...
正岡容 「大正東京錦絵」
...縁起を祝って諏訪町の新建ちの家へ引越したのですが...
正岡容 「初看板」
...建ちゆきませんし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...家が建ち土蔵が建った...
山本周五郎 「追いついた夢」
...後ろに聳え立つ神斧山(しんぷざん)の岩石に切組んで建ち...
吉川英治 「剣難女難」
...建ち腐れになっている巨(おお)きな伽藍(がらん)である...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索