...葉子は忘却(ぼうきゃく)の廃址(はいし)の中から...
有島武郎 「或る女」
...聖書を以てユダヤ思想の廃址(はいし)と見るは大なる誤謬である...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...何もかも移り変って行ってしまっている中に――ことに震災以後は時には廃址になったかとすら思われるくらいに零砕(れいさい)に摧残(さいざん)されている光景の中にそうした遠い昔の静けさが味わわれるということは...
田山花袋 「日本橋附近」
...それだけに廃址という感じが一層はっきりと私の頭に来た...
田山花袋 「日本橋附近」
...松倉伊賀の廃址(はいし)なり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...古代殿堂の廃址(はいし)のように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...泥(どろ)で赤く濁ってあたかも土地が歩き出してるようなテヴェレ河のほとり――大洪水(だいこうずい)以前の怪物の巨大な背骨みたいな溝渠(こうきょ)の廃址(はいし)に沿って...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...溝渠(こうきょ)の廃址(はいし)の赤黒い迫持(せりもち)の下には白巴旦杏(しろはたんきょう)が咲いていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし私の好んで日和下駄を曳摺る東京市中の廃址(はいし)は唯私一個人にのみ興趣を催させるばかりで容易にその特徴を説明することの出来ない平凡な景色である...
永井荷風 「日和下駄」
...この廃址(はいし)ばかりではないか...
永井荷風 「霊廟」
...それは一九〇一年の十二月から一九〇二年の一月にわたってペルシアの古都スザの廃址においてフランス政府の派遣した探検隊がジョセフ・ド・モルガン(J. de Morgan)氏の主宰の下に...
穂積陳重 「法窓夜話」
...また古建築の廃址(はいし)に居るを好く...
南方熊楠 「十二支考」
...蛇類は建築物や著しき廃址に寓し...
南方熊楠 「十二支考」
...あそこには廃址(はいし)や...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...フォラムを始めとして市に接した大小の廃址は...
柳田國男 「どら猫観察記」
...ペストのように避けて通る――ローマ浴場の廃址...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
便利!手書き漢字入力検索