...妙に底力のある日本語であった...
芥川龍之介 「影」
...その澁い底力のある聲は少しくうるんでゐる樣子であつた...
石川三四郎 「浪」
...恐ろしく底力のある太い声で...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...聞き馴れた彼の太い底力のある声とは...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...うんと苦しむがいゝさ」と蓬亭は底力のある聲で十風に言つてそれから三藏の方を振向き「五十嵐はこれでも未だ自分で苦しむだけの勇氣があるが...
高濱虚子 「俳諧師」
...――底力のある生活を生活したい...
種田山頭火 「其中日記」
...底力のある声が盲人の名を呼んだ――出し抜けに...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...底力のある粘っこい熱さだった...
豊島与志雄 「裸木」
...彼の容子を見ると心に何か蟠りがあるやうでもあるが其活々した底力のある容貌は決して愁あるものではないといふことを知らしめる...
長塚節 「商機」
...白い襟卷をした彼は「馬車屋さん少し待つておくんなさい」ゆつたりと底力のある聲で馬車を留めさせた...
長塚節 「商機」
...谷口を睨め底力のある声で叱り付けた...
羽志主水 「監獄部屋」
...何となく底力のある隙のない構えである...
久生十蘭 「魔都」
...底力のある声がひびく...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...「……幽霊だあッ……ウワア――ッ……」「幽霊じゃない……」白坊主が底力のある声で云った...
夢野久作 「オンチ」
...ややあって軽いけれども底力のある英語がゴンクール氏の唇を洩れた...
夢野久作 「暗黒公使」
...花壇の花迄が仏蘭西(フランス)の様に繊巧(きやしや)で無く「意志の華(はな)」とでも言ひたい様に底力のある鮮かな色をして居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...私は底力のある興奮を心の奥底に感じ始めた...
和辻哲郎 「樹の根」
...その武士団のなかでは主従関係の筋金を持ったものが最も底力のあるものとして光ってくる...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??