...雪でもまくしかけて来そうに底冷えがするので...
有島武郎 「或る女」
...実は底冷えする車のなかで...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...妙に底冷えがして...
太宰治 「貨幣」
...底冷えのする部屋には坐っておられず...
太宰治 「人間失格」
...底冷えと疾(はや)いおびたゞしい雪もよひの断雲と刺すやうな寒風とを伴つてやつて来た...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...芝居のなかも暗く時雨(しぐら)んだようで、底冷えが強く、蒲団を被(か)けていても、膝頭(ひざがしら)が寒かった...
徳田秋声 「足迹」
...底冷えの強い晩で...
徳田秋声 「新世帯」
...底冷えのきびしい明け方ちかくの夜気に蒼白(あおざ)めて...
徳田秋声 「爛」
...その夜はしいんと底冷えがした...
豊島与志雄 「白木蓮」
...妙に底冷えのする晩でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夕方は迫つてくるもののために侘しく底冷えてゐた...
原民喜 「鎮魂歌」
...底冷えのする冬の夜にかなしみを引きずりこんで行くことが毎夜のようであった...
人見絹枝 「世界記録と私」
...底冷えこそするが...
宮本百合子 「餌」
...寒さは水の中にゐるやうに底冷えがして來た...
室生犀星 「京洛日記」
...……それは薄ら陽の底冷えのする日だった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ここはわけて底冷えするという蹴上(けあげ)の盆地(ぼんち)にある南禅寺の一房を出て...
吉川英治 「黒田如水」
...半年を過しました』『京都の冬は底冷えがいたしますから...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...私の底冷えのしている心に温かい慰めを与えてくれます...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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