...しかしこれが為め英国の学術上の名声を高めたことは幾許(いくばく)であったろうか...
愛知敬一 「ファラデーの伝」
...打開の次に幾許もなく弛緩の時期が襲來する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...社会に幾許かあるべき...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...』これによつて見ると現代はかのウエンデル・フイリツプスを障げた当時の状態から幾許も進んではゐないのである...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...麦幾許を納めなければ永劫にあらしがあるなどと嚇(おど)す...
大杉栄 「奴隷根性論」
......
田中貢太郎 「愛卿伝」
...伝には「爾来以二精進法界之霊場一為二殺生汚穢之猟地一幾許狼藉不道不レ遑二枚挙一也」と記し...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...幾許(いくら)直してくれと言って催促してもなか/\職人を寄越さない...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...幾許(いくら)でもなかった...
徳田秋声 「あらくれ」
...着替や頭髪(あたま)の物などと一緒に持っていた幾許(いくら)かの金も...
徳田秋声 「あらくれ」
...幾許(いくら)も残らないような苦しい三十日(みそか)が...
徳田秋声 「あらくれ」
...仲人がそのうち幾許(いくら)はねたかといふやうな事まで...
徳田秋声 「チビの魂」
...大隈伯は日本に於ける當今有數の大政治家なりされど其の政黨の首領として果して幾許の同化力を有するや其分量の大小多少は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...よつて事實と傳説との間に幾許かの變化を經て來たものであるといふことが考へられるのである...
内藤湖南 「女眞種族の同源傳説」
...たいへんなる痛手にて最早余命幾許(いくばく)も無之(これなく)と存候(ぞんじそうろう)...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...遥かの空に白雲とのみ見つるが上に兀然(こつぜん)として現われ出でたる富士ここからもなお三千仞はあるべしと思うに更にその影を幾許の深さに沈めてささ波にちぢめよせられたるまたなくおかし...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...材料の点から見ても幾許(いくばく)かの無理を常に感じる...
柳宗悦 「樺細工の道」
...幾許くかのデカダンスが巣喰ひ始めた時であつた...
淀野隆三 「思ひ出づるまゝに」
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