...大海の中心に漂ふ小舟を幾千萬哩の彼方にあるあの星々が導いて行くのだ...
有島武郎 「潮霧」
...境内(けいだい)の樟(くす)幾千歳(いくちとせ)...
泉鏡太郎 「熱海の春」
...先づ際限も無い広い空間に幾千万かの大きな火の玉が転がつて...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...幾千万なるかを知らず...
太宰治 「右大臣実朝」
...そして猪苗代湖の水力で起した電壓幾萬幾千ボルトの三相交流が河の高い空を跨いで居るのに驚かされた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...幾千となく脳裡に浮んでくるのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...幾千の虫たちは小さな鈴をふり...
中勘助 「銀の匙」
...しかし幾千も幾千もの人間は確かに...
中井正一 「物理的集団的性格」
...無論それは幾千万年かの歴史的生命の労作の結果でなければならない...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...古来幾千の詩人の中...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...人生を作り上げている幾千もの虚栄を満足させるという最大の責務を彼女達が負っているということである...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...――幾千の怒濤(どとう)のひびきのような...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...呆(あき)れ返(かへ)ツて見てゐると無量幾千萬の螢が...
三島霜川 「水郷」
...筆に任せて書き記(しる)しつる紀行文日ごとに幾千言をかなしけむ...
森鴎外 「舞姫」
...幾千の旅客を負ふて...
山路愛山 「英雄論」
...幾千通も来るという状態であった...
山本実彦 「十五年」
...幾千となく死んで落ちた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...城中幾千のものの生命(いのち)は安泰を得よう...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索