...いずれも幾分か気兼(きがね)そうに...
芥川龍之介 「将軍」
...此の際幾分か紛らかさうには...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...万年上田(かずとしうえだ)博士が帰朝して赤門派が崛起(くっき)すると硯友社の勢威が幾分か薄くなった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...一(ひと)たび金に触(ふ)るるや必ずその幾分かを自己のポケットの中に収めずにはおかぬ...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...つまらぬ叙事を読んで幾分かの興味を感ずる人があれば...
寺田寅彦 「雪ちゃん」
...苟くも人生上の問題などに付て幾分か考察的の態度を取て居る者は皆な有つて居ると云ふことが出來る...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...お互ひに跡方もないまでに變つてしまつた顏立眼付の中に幾分か殘つてゐる遠い昔の記念を搜出す心持...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...甚三郎は幾分か興味あるものの如く...
中里介山 「大菩薩峠」
...その不平が幾分か緩和されて...
中里介山 「大菩薩峠」
...事に依れば小野さんの方から幾分か貢(みつ)いで貰いたいようにも見える...
夏目漱石 「虞美人草」
...その火鉢は幾分か背を高くかつ分厚(ぶあつ)に拵(こしら)えたものであったけれども...
夏目漱石 「行人」
...男と女は彼らの傍(そば)に坐った新らしい客に幾分か遠慮の気味で...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...この経験も極く初期の言文一致論者との間に幾分か相通じたものが有ると思はれる...
水野葉舟 「言文一致」
...下村は幾分か失望したやうな口振で言つた...
宮原晃一郎 「怪艦ウルフ号」
...他の人々のためにも幾分かは役立ち得るようになるかも知れないところの鍛錬の道場としての芸術――劇作の仕事が僕の前に在る...
三好十郎 「俳優への手紙」
...幾分かゆるされてよいのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まだ幾分か余熱がある...
吉川英治 「大岡越前」
...幾分か羞恥(しゅうち)の色をたたえながら...
吉川英治 「三国志」
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