...幸に現政府は幾分か政党内閣の形をなすもので...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...『東京日日』の記者から原稿料の幾分かを貰っていたものだから...
大杉栄 「日本脱出記」
...それだけでも東京市民の顔は幾分か柔らかく快いものになりはしまいかと思われる...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...形式の上から見て幾分か類似した点がある...
寺田寅彦 「流言蜚語」
...普請の好きなわたしは廊下や縁側の木地(きじ)にも幾分かさびが出来たであろう...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...後のは幾分か慎(つつま)しやかであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...幾分か陽気な感じがした...
夏目漱石 「永日小品」
...幾分か顔が熱くなった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...僕自身も幾分か火の手のまだ収まらないうちに...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...月々の補助を一度に幾分か償却させるという方針を立てたのも彼であった...
夏目漱石 「明暗」
...吾人(ごじん)が母の胎内(たいない)においてすでに幾分か聞いて来た道である...
新渡戸稲造 「自警録」
...一緒に食事をしたので幾分か心が解け合ったのか...
水野葉舟 「遠野へ」
...口元はそう云うたちの人に有り勝な大きくムンと結んで幾分かこわい様な二つの眼はよく張った額の下で輝いて居た...
宮本百合子 「悲しめる心」
...そして鼎軒先生が幾分か自分に接近して來られたやうに感じた...
森林太郎 「鼎軒先生」
...さうして恋愛期には幾分か放心に...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...幾分か事情が似て居る...
柳田國男 「どら猫観察記」
...幾分か羞恥(しゅうち)の色をたたえながら...
吉川英治 「三国志」
...どうしても幾分かの感情をまじえないではいられないのは...
吉川英治 「三国志」
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