...自ら人間の性質が変化して天然の素質が幾分かづゝ弱つたり失はれたりして行くことも止を得ないかも知れないけれども...
會津八一 「菊の根分をしながら」
...幾分かの暗示を受けてゐます...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...そして幾分かの必要な仕事ができるようになるために室内体操をするがいいと言って来た...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...彫刻の持つ魅力の幾分かは此の動きから来てゐる...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...その死の――その幼児の怨みの幾分かは...
直木三十五 「南国太平記」
...その用い方は幾分か気の方が心理的であり...
中井正一 「言語は生きている」
...幾分か人の目につく場所を流れていたような事から...
永井荷風 「日和下駄」
...というような感じも幾分か出て来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...事に依れば小野さんの方から幾分か貢(みつ)いで貰いたいようにも見える...
夏目漱石 「虞美人草」
...やはり幾分か勾配(こうばい)のついた弧線すなわち弓形(ゆみがた)の曲線で示さなければならなくなる...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...自分が今日(こんにち)まで養成した徳義上の観念を幾分か傷つけられるような気がした...
夏目漱石 「三四郎」
...幾分かのさや取りをして...
林芙美子 「瀑布」
...家庭生活の重みが少女達の肩にも幾分かずつ掛りはじめたということもあります...
宮本百合子 「美しく豊な生活へ」
...僕は世人の気楽なるに驚くね」と文学者の口よりかかる説の出(い)ずるは幾分か世運の進歩せし兆(しるし)ならん...
村井弦斎 「食道楽」
...さうして恋愛期には幾分か放心に...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...旧河道を廃物としかつ幾分かその水を排水し...
柳田國男 「地名の研究」
...範宴の眉は、幾分か、明るくなって、「――そうか...
吉川英治 「親鸞」
...また川端氏の画と違って光や空気に対する注意も幾分か現わされているようである...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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