...その人は確に幾分か千里眼に近いのに相違ない...
芥川龍之介 「上海游記」
...この厄運は他の星の有利な位置によって幾分か緩和されることはあるが...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...などの交々吐き出したる炭酸瓦斯(たんさんガス)も猶幾分か残り居るべし...
石川啄木 「閑天地」
...またその明るさを幾分か助けた...
石川啄木 「病室より」
...幾分か挑撥的の標語(みだし)で...
泉鏡花 「婦系図」
...姉上にもこの都の幾分かが御想像になれるかも知れません...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...七百年の月日のあいだに幾分かちがって来たであろうがそれでも院の御うたを拝してひそかに胸にえがいていたものといま眼前にみる風光とはおおよそ似たり寄ったりであった...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...這入りきってしまった所ですぐに幾分か餘裕が出来たので...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そのために神や人に奉仕する可能の幾分かを失った青年男女は...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...今親しくその画(が)を看(み)るに風景美人共に国貞系統の歌川派の画工とは幾分かその趣を異にする処あり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...幾分か人の目につく場所を流れていたような事から...
永井荷風 「日和下駄」
...幾分か此女の慰藉になる様に感じた...
夏目漱石 「それから」
...然し幾分かは消耗がある...
正木不如丘 「健康を釣る」
...みんなこの人たちが幾分かずつソフィストケイトしてしまっているからであって...
三好十郎 「恐怖の季節」
...他の人々のためにも幾分かは役立ち得るようになるかも知れないところの鍛錬の道場としての芸術――劇作の仕事が僕の前に在る...
三好十郎 「俳優への手紙」
...不徳の罪滅しに何かの難事を課せられることは幾分か気やすめになるのであるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...幾分か文明であり芸術家である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...実は幾分か目の感覚に傾きすぎる非難がある...
柳田国男 「木綿以前の事」
便利!手書き漢字入力検索