...自ら人間の性質が変化して天然の素質が幾分かづゝ弱つたり失はれたりして行くことも止を得ないかも知れないけれども...
會津八一 「菊の根分をしながら」
...いずれも幾分か気兼(きがね)そうに...
芥川龍之介 「将軍」
...A 君の云ふことは幾分か當つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...俳句趣味の普及をはかる点より論ずるも幾分か大兄などは皷吹奨励の責任ありと存候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...彫刻の持つ魅力の幾分かは此の動きから来てゐる...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...その死の――その幼児の怨みの幾分かは...
直木三十五 「南国太平記」
...そっと含嗽の水を幾分かずつ胃の中に飲み下して...
夏目漱石 「思い出す事など」
...しかし常態を申すと双方が幾分か交り合っている事は...
夏目漱石 「創作家の態度」
...幾分か顔が熱くなった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...こんな時に迷亭でも来ると胃弱性の皮膚も幾分か反応を呈して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...また幾分か逆戻(ぎゃくもど)りして...
新渡戸稲造 「自警録」
...幾分か勢いが付加される...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...まだ幾分かは見えるのであらう...
北條民雄 「外に出た友」
...然し幾分かは消耗がある...
正木不如丘 「健康を釣る」
...幾分か白い姿を紛らわしますから...
吉川英治 「江戸三国志」
...幾分か気づよくなって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そして下り松の辻の位置はこの坂下よりさらに幾分か低地になっているため...
吉川英治 「宮本武蔵」
...わしは心の責めが幾分かすむ」「わかりました...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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