...体裁も整った代りに幾分か市気を帯びて来た...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...人間の外にも幾分かの器械を用ひる動物が全くない訳ではないが人間の如くに一から十まで器械ばかりを使ふものは他にない故...
丘浅次郎 「人類の将来」
...形式の上から見て幾分か類似した点がある...
寺田寅彦 「流言蜚語」
...幾分か経過したらしい...
永井隆 「長崎の鐘」
...その不平が幾分か緩和されて...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分が今日(こんにち)まで養成した徳義上の観念を幾分か傷つけられるような気がした...
夏目漱石 「三四郎」
...来た時よりは幾分か空気に暖味(あたたかみ)が出来た...
夏目漱石 「それから」
...あるいは趺座(あぐら)をかいた足を幾分かむすび直し...
新渡戸稲造 「自警録」
...漱石先生の特異なる表現の幾分かをでも再現せしめることが出來るならば...
野上豐一郎 「「漱石のオセロ」はしがき」
...幾分か外国人に対して体裁云々の意味を含むことならん...
福沢諭吉 「日本男子論」
...閉ぢ籠められてゐたと思はれる前途を幾分か明るくすることが出來た...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...家庭生活の重みが少女達の肩にも幾分かずつ掛りはじめたということもあります...
宮本百合子 「美しく豊な生活へ」
...みんなこの人たちが幾分かずつソフィストケイトしてしまっているからであって...
三好十郎 「恐怖の季節」
...幾分か我々に安心を与えるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手を繋(つな)いで行くことが幾分かむつかしくなるかも知れない...
柳田国男 「年中行事覚書」
...どうしても幾分かの感情をまじえないではいられないのは...
吉川英治 「三国志」
...曹洪の怒りも幾分かやわらいできた様子だ...
吉川英治 「三国志」
...まだ幾分かの気懸りは残していたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索