...はいる気かい?」「だってせっかく来たんじゃないか?」Mは膝ほどある水の中に幾分(いくぶん)か腰をかがめたなり...
芥川龍之介 「海のほとり」
...油でよごれた手を幾度もまっ黒に日に焼けた目がしらの所に持って行った...
有島武郎 「或る女」
...京橋へ来て、こういうくだらない生活を既に一年ちかく続け、自分の漫画も、子供相手の雑誌だけでなく、駅売りの粗悪で卑猥(ひわい)な雑誌などにも載るようになり、自分は、上司幾太(情死、生きた)という、ふざけ切った匿名で、汚いはだかの絵など画き、それにたいていルバイヤットの詩句を插入(そうにゅう)しました...
太宰治 「人間失格」
...そんな通りを幾個(いくつ)も通り過ぎて...
徳田秋声 「黴」
...時々曇る笹村の顔色を幾度も見せられた...
徳田秋声 「黴」
...吾々は直観空間とか幾何学的空間とか物理的空間とかが...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...そう云った種類の区別立てを幾十となく持ち出すことが出来よう...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...向角(むこうかど)に高く低く不揃(ふぞろい)に立っている幾棟(いくむね)の西洋造りが...
永井荷風 「深川の唄」
...若者が大勢集まって村から村へと幾日も旅を続けて遊び廻ること...
中島敦 「光と風と夢」
...水浴をしてから幾らか爽快になつた...
長塚節 「隣室の客」
...私は幾度か見たはずである...
野村胡堂 「胡堂百話」
...幾度か曲者に狙はれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのあたりには仏具のやうな物や仏壇のやうなものがやはり幾何学的に排列せられて居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...青い葉も幾枚も吹き飛ばされ...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...わたしはあの偉大な幾多の名前を口の中で繰りかえしては...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...谷水がしばしば淀んで幾分の平地を作る場処があれば...
柳田國男 「地名の研究」
...幾らも見るような社会であった...
柳田國男 「どら猫観察記」
...幾たびも唾をのみこもうとした...
山本周五郎 「ひとごろし」
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