...幹にはすべて厚い苔がまとつてゐるので...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...太古遺跡研究會幹事(たいこゐせきけんきうくわいかんじ)の本分(ほんぶん)を以(もつ)て...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...その拍子にの大木の幹がめりめりとおれて...
サキ Saki 妹尾韶夫訳 「第三者」
...滋幹はその時ほんとうに久振(ひさしぶり)に父を見かけたのであったが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...滋幹は、父がどう云う動機から酒を断(た)つに至ったのか、その間(かん)の事情を詳(つまびら)かにしないのであるが、彼がそれに気が付いたのは、「お父さまは近頃殊勝(しゅしょう)におなりなされて、一日しずかにお経を読んでいらっしゃいます」と、乳人が彼に語ったことがあるからであった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...―――滋幹は、父の内部の闘争がどう云う結末を告げたかについて確證は挙げ得ないのであるが、しかし父の死に方が決して人の羨むような安らかな往生ではなかったことから推量して、多分あの時の自分の豫想が誤まってはいなかったように思うのであった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...一朝南天の幹が切られるかあるいは折れるかすると...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...三度ばかり彼はいくつかのほのかな形が樹の幹から幹へ繁みから繁みへ滑ってゆくと思った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...他の端を杉の幹へまわさせた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...「そうするかもしれない」と、幹太郎は云った...
山本周五郎 「花も刀も」
...幹太郎は、はね起きて「ばかなことをするな」と云い、お豊を抱き止めて脇差を取り返した...
山本周五郎 「花も刀も」
...と幹太郎が云った...
山本周五郎 「花も刀も」
...酒もあまり飲まないようですし、ほかの者のように女あそびも知りません、しかし二十歳という年齢が、どんなに動揺しやすい時期であるかは、貴方にも御経験があると思う」と、幹太郎は云った...
山本周五郎 「花も刀も」
...姿の良いその幹を右に眺めながら...
横光利一 「旅愁」
...うす赤き幹の枝三つ斜めして並べるに...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...ツ――と巨松(きょしょう)の幹へ近づきかけると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...松の幹が大きくうねって整列していないということは街路樹たる資格を毫(ごう)も遮(さまた)げるものではない...
和辻哲郎 「城」
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