...二年越し此所(ここ)へ勤めていたのでした...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...年越しをしたのである...
種田山頭火 「其中日記」
...新吉は小僧二人に年越しのものや...
徳田秋声 「新世帯」
...思えば五年越しの紆余曲折のはての刀折れ矢つきた形の法案である...
中井正一 「図書館法楽屋話」
...ですけれども、繰返して申します通り、それは五年も前に、わたしたちがこしらえた番附面を、もう刷り直してもいい時分ですから――それにあの奥方は、この地にはおすまいになっていらっしゃらないのだし、お年も、もう、たしか四十を越していらっしゃるはずだから……」「いいえ、年は標準になりませんよ」初霜の、充分に斟酌(しんしゃく)のある理解ぶりにも満足しない醒ヶ井は、「わたしは、四十になっても、五十になっても、本当の美人の美というものは、衰えるものじゃないと思います、年によって盛衰のあるのは、売り物の花だけでしょう、教養の高い美は、いくつになっても衰えは致しません」「でも、醒ヶ井様は、五年以来、あの奥方の御消息を、御存じないとおっしゃってじゃありませんか」「それは存じませんけれど、存じておりましても、存じておりませんでも、美しいものは、美しいに相違ございません」「そうおっしゃれば、それに違いはございませんけれど、それほどまでに御贔屓(ごひいき)をあそばすなら、せめて、あの方のこのごろの御消息ぐらいは御存じになっておいでになっても、罰(ばち)は当りますまいと存じます」「城下にはいらっしゃらないのですか」「ええ」「では、犬山に?」「いいえ……清洲(きよす)のお屋敷へお引籠(ひきこも)りになってから、もう二年越し、どちらへも、ちょっとも外出はなさらないそうでございます」といって、それからひとしきり、その五年前に、名古屋一等の美人だという極(きわ)めのついている銀杏加藤の奥方の身の上話になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...三年越し寵愛(ちょうあい)した自分の妾の肉塊(ししむら)を...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一年越し本意ない夜盗押込の手引をいたしました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...眼玉の飛出すような高い利息を七年越し払わされてますぜ」「それから」「六部になった倉松は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...十何年越し世話になつて居る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三十年越しの溜飲(りゅういん)に悩まされるようで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――十年越しの借金を払って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...熊井熊五郎が十年越し荒した跡を一つ/\調べて見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五年越し躄(ゐざり)の乞食になりすまして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これが三年越し引き続いた事柄のように考えられる」小倉は...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...良介と会つたのは二年越しだつた...
牧野信一 「秋晴れの日」
...九六暮(くれ)の魂祭(たままつり)年越しの日に...
柳田国男 「年中行事覚書」
...お二人ともつつがなくお年越しでおめでとうございます...
山本周五郎 「柳橋物語」
...初春(はる)迫る年越しを前に...
吉川英治 「新書太閤記」
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