...つい去年の暮の事だといって...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...自分が四つの年の暮であったということは...
伊藤左千夫 「守の家」
...二十年の暮に突然内閣を退くこととなり...
大隈重信 「新島先生を憶う」
...七十二十風夫婦は此年の暮北海道を去つて東京では誰にも逢はずに京都へ來た...
高濱虚子 「俳諧師」
...その細田氏が、去年の暮に突然、私の三鷹(みたか)の家へ訪れて来たのである...
太宰治 「女神」
...いね/\と人にいはれつ年の暮(路通)のみじめさを毎日味ははなければならないのである...
種田山頭火 「行乞記」
...其年の暮近く專門の研究最中に他界されたことは科學界並に文學界の痛悼措く能はざる所であつた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...後で知ったことであるが、その前年の暮に、先生は大学の研究室の中で突然吐血された...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...みそさざいわたしの姉さん篠藪でさつさ お背戸の鷦鷯(みそさざい)誰にも言はずにゐてお呉れ去年の暮にも篠藪でさつさ お背戸の鷦鷯誰にも言はずにゐてお呉れ...
野口雨情 「別後」
...望み手があつて賣つたんで」「何?手前(てめえ)の脇差を賣つた?」「へエ――去年の暮...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は去年の暮まで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
原民喜 「書簡」
...昭和十二年の暮にマルセーユへおいでになったことはございませんでしたか...
久生十蘭 「ユモレスク」
...年の暮は、私たちの家でお客をよんでやります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...電報が来たと?」「なんだろか? 又大地震があつたんづろか?」「去年の暮れ...
三好十郎 「おスミの持参金」
...年の暮に始て粕屋郡(かすやごほり)名島の城に入つた...
森鴎外 「栗山大膳」
...今年の暮は困る人がまたたくさん出ることだろう」源六はゆらゆらと頭を振った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...著者時感女性の力雪を想はす年の暮になると...
吉川英治 「折々の記」
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