...道具方が自作した貧弱な受信機を...
海野十三 「空襲葬送曲」
...例のとおり黄いろく乾からびた貧弱な顔を前へ突出すようにして...
海野十三 「地獄の使者」
...所が日本に付ての知識と云ふものは極めて貧弱なもので...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...纔(わず)かに築山(つきやま)の蔭に貧弱な芙蓉(ふよう)が咲いているのと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...如何に貧弱な力ないトリビアルな響きを持つかを...
戸坂潤 「思想としての文学」
...それは貧弱な形の合理主義であり...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...そういう貧弱な台所の煮物と...
豊島与志雄 「香奠」
...ただ洗い清めるだけでかえって貧弱ならしむる下水道の代わりに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...貧弱な国ほど領内に樹木が乏しい...
中里介山 「大菩薩峠」
...代助はそれを見(み)て、貧弱な工業が、生存の為(ため)に無理に吐(つ)く呼吸(いき)を見苦(みぐる)しいものと思つた...
夏目漱石 「それから」
...現在の貧弱な自分の位置に就いて...
林芙美子 「浮雲」
...ただ貧弱な聴覚よりももっと奥深くにしみとおることを要求するかのようであった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...老夫婦はもう少し彼等と話をして、自分達の感じている不思議の思いを述べたり、貧弱な夕飯が、あんな思いもよらないような、結構な、そして十分な御馳走となった喜びを語ったりしたいと思いました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...これでは僕の貧弱な語學力を示すのみに過ぎまい...
堀辰雄 「本のこと」
...そしてもっていても極めて貧弱なものである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...「閲歴」をふりかえって何かそこからみみずの糞のような気休めでもさがしたい程貧弱な気分でもありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「僧の家というものはどうせ皆寂しい貧弱なものですが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ただ一つの貧弱な花束を摘み取っただけで...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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