...年の市線香買ひに出でばやな 芭蕉夏の月御油(ごゆ)より出でて赤坂や 同上早稲(わせ)の香やわけ入る右は有磯海(ありそうみ)同上これ等の句は悉(ことごと)く十七音でありながら...
芥川龍之介 「発句私見」
...酒は飲みたくないけれど生水はうまい!・ことしも暮れるお墓を掃除する周二君に・けふはよばれてゆきますガソリンカーで・年の市のお猿さんやたらに踊らされてゐる・こゝろなぐさまずこゝまで来たが冬されの水湯田温泉・わいてたたへてあふれる湯の惜しむところなく・ぼんやり観てゐる冬山のかさなれるかたち十二月廿六日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...お庄は天神の年の市に二人一緒に歩いているところを人中で見つけて...
徳田秋声 「足迹」
...年の市などに景気づいた町を出歩いたり...
徳田秋声 「あらくれ」
...下町の方の年の市へ行っている留守の間に...
徳田秋声 「爛」
...愛宕の年の市は芝辺では最も盛んで...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...来合せたる妓雛丸とやらを伴ひ銀座通年の市を見る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...自働車にて浅草の年の市に行き...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...」「年の市(いち)でしたね...
永井荷風 「ひかげの花」
...美くしく合成する第二次五ヶ年計画の完成を貫いているんだ!おゝ希望の湾………おゝ青年の市………おゝ...
槇村浩 「ダッタン海峡」
...大晦日あすこの西側にも年の市が立つやうになつた...
正岡容 「下町歳事記」
...灯の中や杵活き/\と年の市とつたない一句をものしたが...
正岡容 「下町歳事記」
...五十五調の句およぐ時よるべなきさまの蛙かなおもかげもかはらけ/\年の市秋雨や水底の草を蹈み渉(わた)る茯苓(ぶくりゃう)は伏かくれ松露(しょうろ)はあらはれぬ侘禅師乾鮭(からざけ)に白頭の吟を彫(ゑる)五七六調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...五十五調の句およぐ時よるべなきさまの蛙かなおもかげもかはらけ/\年の市秋雨(あきさめ)や水底(みなそこ)の草を踏み渉(わた)る茯苓(ぶくりょう)は伏かくれ松露(しょうろ)はあらはれぬ侘(わび)禅師乾鮭(からざけ)に白頭の吟を彫(ほる)五七六調...
正岡子規 「俳人蕪村」
...――そうしたうちに、年暮(くれ)は迫って、何はあっても、江戸の町は、年の市、羽子板市(はごいたいち)、そして春を待つ支度に世間の物音は忙(せわ)しない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...市中は、年暮(くれ)が迫って、誓文払(せいもんばら)いの売出しだの、年の市だのが、やはり習慣的に、相応に賑(にぎ)わっていた...
吉川英治 「松のや露八」
...年の市の灯りでうす赤く見えるのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...戸部の大通りにある年の市へ出かけ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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