...成べく平静な態度(ふり)をして...
石川啄木 「鳥影」
...しようのないようになってくる」やや平静な調子に返ったものの...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...さすがに平静な気持では居られませんでした...
太宰治 「たずねびと」
...善良なるその妻もまたあたかもこの世の中に何事も起こらなかったかのように平静な態度でこの不倫の夫を迎えたのであった...
寺田寅彦 「あひると猿」
...何か平静な善良なものを浮かべていた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...そして平静な足取りで室から出て行きました...
豊島与志雄 「立札」
...真の卑下と平静な忍従とのうちに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...妙に平静なものは普通あまり見られない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...斉彬の最後の時として、人間の最後の時として、当然、一言でも、陰謀に対する憤りが、怨みが、せめて、皮肉な言葉であろうと――己の陰謀の成就を喜びながらも、人の死に面して、異常な仁慈の心の主君の死に対して、平静な、厳粛な心に立返っていた将曹は、そうした一つの、皮肉さえなしに、自分に対して、後事を頼み、感謝の言葉を述べた斉彬に、腹の底からの畏敬と、後悔とを感じていた...
直木三十五 「南国太平記」
...平静な会話は波だった彼の気分を沈めるに必要であった...
夏目漱石 「道草」
...平静な時は読書に一日を費しているが...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...平静な日常を送っていたが...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...しかもそれがまた悲しい、涙ぐんだような表情に変わって、寝台の枕に俯伏してしまったかと思うと、またその顔色もだんだんに鎮まって、思い悩んでいる様子も消えていって、さらに平静な、希望ある表情が浮かんできたのであった...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...平静な明るさをとり戻しますから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そんな激しい気もちの中で紀久子は新聞に見入っている父の平静な横顔を何かふてぶてしいものに思い...
矢田津世子 「父」
...夫は平静な口調だった...
山川方夫 「あるドライブ」
...こうして平静な時期が経過し...
山本周五郎 「菊千代抄」
...どうか平静な気持で読んで下さるよう...
山本周五郎 「失蝶記」
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