...平静な読書三昧(さんまい)にふけっていたが...
芥川龍之介 「大川の水」
...しようのないようになってくる」やや平静な調子に返ったものの...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...「我輩は何も云いたくない」アーントネリは平静な顔で云った...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...善良なるその妻もまたあたかもこの世の中に何事も起こらなかったかのように平静な態度でこの不倫の夫を迎えたのであった...
寺田寅彦 「あひると猿」
...その心は一日も平静なる能(あた)わざりしなり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...何か平静な善良なものを浮かべていた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...妙に平静なものは普通あまり見られない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...只暗礁あかべ鹿根の二島の間僅に平静なり...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...もっとも徳松が伯父を殺す気があるとは知らなかったらしい」平次はまた平静な生活に浸って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平静な時は読書に一日を費しているが...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...私が言うことを裏づけています」自分の平静な言葉だけがこの見知らぬ集りのうちに響いていることにすっかり満足して...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...と思はるゝやうな清々しい平静な気持で...
牧野信一 「凸面鏡」
...そして、みんな気が立って、つんけんとこわい心持になっているときに、平静な、親切なこころを失わないように、そう努力することが無駄であると嗤う人はいまいと思います...
宮本百合子 「美しく豊な生活へ」
...仔熊の約束をする子供たちのことその他、この著者は家族というものを、平静な、均等なボリュームで、ちゃんと自分たちの生活のなかに出しているでしょう、私はあの点でもいろいろ感にうたれました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...サッカレの明るい眼と平静な心が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夫は平静な口調だった...
山川方夫 「あるドライブ」
...水のように平静な...
山本周五郎 「新潮記」
...「私はあれから五年間がまんした」又四郎は平静な声で云った...
山本周五郎 「百足ちがい」
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