...「よくもあなたはそんなに平気でいらっしゃるのね」と力をこめるつもりでいったその声はいくじなくも泣かんばかりに震えていた...
有島武郎 「或る女」
...叔父さんは平気で落ちついてゐました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...平気で帰ろうとすると...
田中貢太郎 「おいてけ堀」
...一艘の小舟がその風の中を平気で乗切ってきて陸へ著けかけた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...」と平気でいるんです...
豊島与志雄 「香奠」
...腕の一本や二本なくなすことは平気でかかる奴なんだからね...
中里介山 「大菩薩峠」
...そういう国費の投資が平気で行われている点が...
中谷宇吉郎 「北海道開発に消えた八百億円」
...黒鯛の方は平気である...
中谷宇吉郎 「真夏の日本海」
...いっこう平気ではいたが...
夏目漱石 「坑夫」
...決して平気でいられない質(たち)だったのです...
夏目漱石 「こころ」
...鶴子のほうは一向平気で...
久生十蘭 「魔都」
...チャント知(しっ)て居ながら平気で損をして何とも云わぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...尤(もっと)もづうづうしいやつは提灯ぐるみに取つてしまつて平気で居るやつもある...
正岡子規 「墨汁一滴」
...山沼に住んでゐて存外世間にふれない人間が平気で何んでも考へてゐることを言ふのも...
室生犀星 「故郷を辞す」
...青い鬼であるわたしの眼の前を平気で歩いている...
室生犀星 「とかげ」
...平気でいられる人がずいぶんと多かったのである...
柳田国男 「母の手毬歌」
...きたない言葉を文面に平気で書いて来るひとがある...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...その上へ平気で臥てゐる気にもなれなかつた...
吉江喬松 「五月雨」
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