...しんと静まった夜の沈黙の中にお前たちの平和な寝息だけが幽(かす)かにこの部屋に聞こえて来る...
有島武郎 「小さき者へ」
...野鼠の様な地球の険しい背なかを匍匐することはそも誰が始めたかを痩せて矮少(ママ)である ORGANE を愛撫しつゝ歴史本の空ペエヂを翻へす心は平和な文弱である...
李箱 「LE URINE」
...かなり平和な呑気な関所であることが読者に通じるだろうと...
海野十三 「軍用鼠」
...勤倹平和なる家庭と社会とを立てん事を謀らざるべからず...
関寛 「関牧塲創業記事」
...いかにも大和絵(やまとえ)にありそうな温雅で平和な眺望なのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...争闘これ平和なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...平和な生活を官能的に享楽する性質をそなえていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...」すべて命数限りあるものに――すべてを平等ならしめ平和ならしむる死に――生の無数の小川が流れこむ未知の海に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...吾(われ)らは平和なる家庭の主人として...
夏目漱石 「思い出す事など」
...この草加へ駈落ちして来て貧しいながら平和な暮しをつづけていた...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...とにかく平和な家庭であることは事実だった...
平林初之輔 「秘密」
...互の親しみの氣分が得も云はれぬ平和な雰圍氣となつて私共を取り圍んだとき...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...平和な時期はほとんどないのであるから...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...平和な光りのなかに...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...温泉郷(ごう)の平和な日になれて...
吉川英治 「江戸三国志」
...けさの船窓に眺められる平和な島々なのだから...
吉川英治 「随筆 新平家」
...この平和な春の陽の下から...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...自由な貿易と平和な交際とを提議して...
和辻哲郎 「鎖国」
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