...無政府主義に至っては固(もと)より始めから個性生活の絶対自由をその標幟(ひょうし)としている...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...(昭和十五年七月)珍客來訪記毎年端午の節句が來て鯉幟が空中に泳ぐ頃となると...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...委細の説明をつけて鯉幟一對をシュレーデル氏の學校へ送つては如何と提案した...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...いつもならば向河岸(むこうがし)の屋根を越して森田座(もりたざ)の幟(のぼり)が見えるのであるが...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...軈(やが)て何町貧窮人と紙に書いたる幟(のぼり)をおし立て...
中里介山 「大菩薩峠」
...芝居小屋の前に林立された役者の旗幟を指さしましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...後年フランス楽壇に大きな旗幟(きし)を翻(ひるがえ)した...
野村胡堂 「楽聖物語」
...まつすぐに幟町の方へ歩いて行つた...
原民喜 「永遠のみどり」
...兄上様民喜●昭和二十二年一月八日 大森区馬込末田方より 広島市幟町 原信嗣宛先日はいろいろ御世話になりました...
原民喜 「書簡」
...ネオンをきらめかす明かるい電燈と、けばけばした色彩と、ごった返している群衆、映画館、芝居小屋、寄席(よせ)、木馬館(もくばかん)のメリー・ゴーラウンド、煽情的な看板、幟、旗、そして、ずらりとならんだ食べ物屋、飲み屋、焼き鳥のにおいと、ジンタの音楽との奏でだす、世にも頽廃的な狂躁曲――金五郎は、またも、ぽかんとなるような気持で、あたりを眺めまわしながら、(この浅草のどこかに、お京が居るのじゃ)と、夢幻的な感傷に捕われていた...
火野葦平 「花と龍」
...その火事で私は五月幟(のぼり)も五月人形もみんな焼いてしまったりして...
堀辰雄 「幼年時代」
...実は、この土地でも、かりにも猿若町の三座の随一、中村座ともあろうものが、上方(かみがた)役者を芯にして、顔見世月の蓋を開けるなんざああんまりなやり方――見下げ果てた仕打ちだ――今度だけは見物も、見合せた方がなんぞという人もありましたが、相手は、遠い旅をかけて来た芸人、まして、あの人達のおかげで、くさりかけた中村座が立ち直れば、これに越したことはないという論も出まして、まあ、幟、そのほか、飾りものもいたしましたが、実は、わたくしも、今日の舞台をのぞきますと、何が、けれん芸、立派な舞台で、あれでは、ちっと、当地の役者も、顔まけをいたすかも知れませぬ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...一丈三尺の真っ赤な幟(のぼり)に...
吉川英治 「上杉謙信」
...アセチリン瓦斯(ガス)の白い光の中に、血みどろな絵看板と、幟(のぼり)が、ばたばたとはためいている...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...そこは四方に立ち並ぶ旗や幟(のぼり)ばかりで...
吉川英治 「三国志」
...――のみならず旗幟(きし)甚だととのわず...
吉川英治 「新書太閤記」
...幟には――叛逆の張本人大賀弥四郎重秀(しげひで)と書いてあった...
吉川英治 「新書太閤記」
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