...此の大きな木を取り巻くには三十人の人が腕をひろげて手をつないでも足りない位だ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...栲綱(たくづぬ)の白腕(しろただむき)になれを巻く...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...一歩外海へ漕(こ)ぎ出せばただちにウニデス本流の逆巻く荒海となる危険さが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...逆巻く水が私の前にあるばかりだつた...
種田山頭火 「其中日記」
...何哩(マイル)となくひろがる黒い松林が孤巌(こがん)を取巻く黒い海のようにごうごうと吠えているのを彼等はきいた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...あの人は菊ちゃんに帯地を一巻くれた...
豊島与志雄 「好人物」
...波止場の稜は渦巻く光でゴツゴツだ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...一焼野原見りや涙が落ちる 落ちるよ火攻め 火の海火の地獄 地獄よ二ただの一夜(いちや)で焼野の原となろと思ほか 思はりよかなろと思ほか火の地獄 地獄よ三焼野原なら雉子(きぎす)も啼こに 啼こによ泣くは火攻めの人の群れ 人の群れ四親は子を呼び子は親呼んで 呼んでよ声は渦巻く焔は狂ふ 狂ふよ五これが都の昨日(きのふ)のすがた すがたよ生きて火攻めはこの世の地獄 地獄よ...
野口雨情 「極楽とんぼ」
...ほんとうの文字は一つの細い帯のような形で身体を取り巻くだけです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...こつこつと自分で巻く...
北條民雄 「癩院記録」
...柔かに巻く黄金の帯を...
ホーフマンスタール Hugo von Hofmannsthal 木下杢太郎訳 「チチアンの死」
...――これを取り巻く農村は...
本庄陸男 「石狩川」
...錨を巻く音がした...
牧逸馬 「上海された男」
...特に個人主義と天才崇拝とに渦巻く近代思潮において...
柳宗悦 「工藝の道」
...証文まで巻くなんて...
山本周五郎 「契りきぬ」
...彼女を取巻く卑狗(ひこ)の大兄(おおえ)の霊魂が今は次第に彼女の身辺から遠のいて行くのを感じて来た...
横光利一 「日輪」
...渦巻く味方の物々しい声援に送られて...
吉川英治 「三国志」
...颶風(ぐふう)の巻くようなものであったに違いない...
吉川英治 「新書太閤記」
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