...股野が巧みに位置を転倒して...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...実は木の桟と引っかけるための二つの鈎(かぎ)とがついてるきわめて巧みにできた繩梯子(なわばしご)だということがわかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...百城は、足も動かさずに、巧みに、上半身を躱していたが、七瀬は、足許を乱して、百城の躱す巧みさと、自分の刀の短さとに、苛立ちながら、身体を浮かして、次の刀を、手いっぱいに――腰までも延し切って、斬りつけた途端――さっと、百城の身体が、沈むと、右手の鞘が、七瀬の両腕の下を、払い上げた...
直木三十五 「南国太平記」
...雷門方面から伏眼加減に曙館の正面を通り危うく衝突しそうになる行人を巧みに避け乍ら...
西尾正 「陳情書」
...光と色調で頗る巧みに画面の上に浮き出している...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...巧みに親類方に取入って詩子(ふみこ)の後見人になり...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...危険を予感しているものが必ず危険を最も巧みに避けるものとは限っておらず...
平林初之輔 「探偵小説壇の諸傾向」
...藤田氏は途中で巧みに逃げてしまつた...
牧野信一 「日本橋」
...しかし一般にその算法の原則をも巧みに了解して適切に運用したことが思われる...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...「オーライ!」下村は巧みに巻揚機(ウインチ)にはずみをつけて...
宮原晃一郎 「怪艦ウルフ号」
...巧みに避雷針も準備している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そもそもどのような巧みによったものやら知りたいものだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...和助はかなり巧みに櫓(ろ)を使うことができる...
山本周五郎 「追いついた夢」
...糸を巧みにあおり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その情報が巧みに仕組まれたものだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...エチオピアの利権を掴みたいばっかりに巧みに双方を煽動して始めさせたものですが...
夢野久作 「女坑主」
...一人の若者が鉤鈎(かぎばり)をつけた三尺ばかりの棒を巧みに操(あやつ)ってぴらりぴらりと閃(ひら)めく山女(やまめ)を引ッかけては...
吉川英治 「剣難女難」
...その感情を巧みにつつんでいられない性情である...
吉川英治 「源頼朝」
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