...療治が達しやで、すこし目が見える、夜話が實に巧い、職がらで夜戸出が多い、其のいろ/\な話であるが、先づ水口園の前の野原の眞中で夜なかであつた、茫々とした草の中から、足もとへ、むく/\と牛の突立つやうに起上つた大漢子が、いきなり鼻の先へ大きな握拳を突出した、「マツチねえか...
泉鏡花 「遺稿」
...巧いことの有りったけを並べて詑(わ)びを云い...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「どう? あたしの見立ては巧いでしょう?」ナオミは両手にお白粉(しろい)を溶き...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...あの人はダンスが巧いもんだから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...一寸したその場の思附や物真似が巧い...
外村繁 「打出の小槌」
...支那人が見ても日本人の作と云ふ事が分らぬ程巧いものである...
内藤湖南 「平安朝時代の漢文學」
...竿の操りがなかなか巧いのでそんな虞れもない...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...あんなに小説が巧いんだろう?)マダム・ボヴァリイは疑もなく傑作だ...
中島敦 「光と風と夢」
...それが非常に巧い話になっている...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...それには一つ巧いことを思いついた...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...小宮さんは「うんなかなか巧いものだ」と言いながら...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...そういう巧いものはないかもしれないが...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...そして巧いことには...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...仲なか巧いことを言う――まあ...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...それに巧いこと!」母達も出て来て切りに玄吉を賞讚した...
牧野信一 「蔭ひなた」
...女の気嫌の取り方などと来たら実に巧いものだぜ――といふやうなことを樽野の亡父も云つてゐたが...
牧野信一 「村のストア派」
...どうも巧い考へが浮ばなかつたので...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...銅印石印も巧いが陶印はことに得意であった...
山本笑月 「明治世相百話」
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