...熱を病んだやうに慌しく――わしを彼女から引離してしまふ嶮しい山路の上に...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...その最も嶮しい箇所箇所を...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...気質はいままでにも増して嶮しくなり...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...支那にある嶮しい山のお関所のことだよ」そう説明しながら...
田中英光 「箱根の山」
...嶮しき山根打ち崩し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...嶮しい登り道がある...
豊島与志雄 「山上湖」
...たゞその余光が嶮しい連山の頂(いたゞき)を...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...嶮しい坂径を花蓮港へと越えて行った...
中村地平 「霧の蕃社」
...すぐ近くに見える山脈に嶮しい翳りが拡がつて...
原民喜 「氷花」
...嶮しい眼つきをなすつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...何うも――」と思はず嶮しく顔を顰めて...
牧野信一 「南風譜」
...怒田(ぬだ)からヤグラ峠へ向ふ日蔭の山径は、わけても嶮しく、帯のやうに細い黄土の坂径が深い枯草の中に埋れてゐた...
牧野信一 「剥製」
...ふと女が嶮しい聲で云つた...
正宗白鳥 「雨」
...ついに嶮しい岩の根元までたどりついた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの嶮しい一ノ谷の真上へ出たなどという旧来の説は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...その嶮しく起って来た高原の中腹の一寸した窪みに草津温泉はあるのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...とりどりに紅葉した雑木林の山を一里半ほども降って来ると急に嶮しい坂に出会った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...白骨温泉嶮しい崖下の渓間に...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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