...岩陰に一嗚呼、物(もの)古(ふ)りし鳶色(とびいろ)の「地(ち)」の微笑(ほゝゑみ)の大(おほ)きやかに、親(した)しくもあるか、今朝(けさ)の秋(あき)、偃曝(ひなたぼこり)に其骨(そのほね)を延(のば)し横(よこた)へ、膝節(ひざぶし)も足も、つきいでゝ、漣(さゞなみ)の悦(よろこ)び勇み、小躍(こをどり)に越ゆるがまゝに浸(ひ)たりつゝ、さて欹(そばだ)つる耳もとの、さゞれの床(とこ)の海雲雀(うみひばり)、和毛(にこげ)の胸の白妙(しろたへ)に囀(てん)ずる聲のあはれなる...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...岩陰で暫時雨を避け...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...そこの岩陰を曲った途端に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...私はひとりで荒磯の岩陰などにいて...
寺田寅彦 「柿の種」
...その奥に岩陰となった場所があり...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...夜には岩陰に身を投げ出し...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...つまり海底の岩陰である...
豊島与志雄 「竜宮」
...そうかと思うと岩陰には残雪が白く残っていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...じっと岩陰にくっついている...
永井隆 「長崎の鐘」
...向こうの岩陰まで走れ」「薬瓶を割るな...
永井隆 「長崎の鐘」
...湖畔の岩陰(いわかげ)や...
中島敦 「狐憑」
...湖畔の岩陰や、近くの森の樅の木の下や、或ひは、山羊の皮をぶら下げたシャクの家の戸口の所などで、彼等はシャクを半圓にとり圍んで座りながら、彼の話を樂しんだ...
中島敦 「狐憑」
...岩陰から川舟の行衛を隙間見しながら...
葉山嘉樹 「万福追想」
...岩陰からひゅんと音がして...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...今井がこらえ切れなくなって岩陰から出て行きかける...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...風と雲との烈しい爭ひ、人は其中に包まれて岩角にすがり、岩陰にひそみ、僅(わづ)かに呼吸をつないでゐるばかり、危く吹き飛ばされ、風に卷かれて千丈の谷底へまろびさうになる――...
吉江喬松 「山岳美觀」
...山間の岩陰から出てきたほどである...
吉川英治 「三国志」
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若山牧水 「みなかみ紀行」
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