...ひらりと茶まだらな尾をふるったかと思うと...
芥川龍之介 「偸盗」
...畏多いことだ」正造は語尾をふるわせて簷先へ眼を放った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...時雨亭氏に)・あなたの足袋でこゝまで三十里(闘牛児氏に)百舌鳥ないてパツと明るうなる・飯のうまさもひとりかみしめて・最後の一粒を味ふ・名残ダリヤ枯れんとして美しい犬が尾をふる柿がうれてゐる腰かける岩を覚えてゐる・よろ/\歩いて故郷の方へ・筧あふるゝ水に住む人なし枯山のけむり一すぢかうして旅の山々の紅葉・ゆきずりの旅人同志で話つきない此宿はよいといふほどではない...
種田山頭火 「行乞記」
...ふたゝびこゝで白髪を剃るどうでもこゝにおちつきたい夕月・朝風の青蘆を切る□・これだけ残つてゐるお位牌ををがむ□・あるだけの酒のんで寝る月夜・吠えてきて尾をふる犬とあるく・まとも一つの灯はお寺昨夜は幾夜ぶりかでぐつすり眠つたが...
種田山頭火 「行乞記」
...・朝風の青草食みつつ馬は尾をふる・日影ゆるゝは藪ふかく人のゐて・炎天の機械がうごく人がうごく(アスフアルトプラント)□ひらいてゆれてゐる鬼百合のほこり・朝からはだかで雑草の花糸瓜さいて垣からのぞく殺された蚊でぞんぶんに血を吸うた蚊で・風が吹きとほすまへもうしろも青葉七月廿日土用入...
種田山頭火 「行乞記」
...・ふるさとはおもひではこぼれ菜の花もなんと長い汽車が麦田のなかを・ぼけが咲いてふるさとのかたすみに・けふはこれだけ拓いたといふ山肌のうるほひ・水に雲が明けてくる鉄橋のかげ妹の家を訪ねて二句・門をはいれば匂ふはその沈丁花しきりに尾をふる犬がゐてふるさと三月二十四日雨...
種田山頭火 「其中日記」
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鶴彬 「鶴彬全川柳」
...わが艦隊は竜(りゅう)の尾をふるうごとくゆらゆらと左に動いて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...」服部君は語尾をふるはせて...
牧野信一 「街角」
...来らしめ来らしめられるだろうとそして僕は呑気に/\口笛を吹き吹き歌ひ出した――夜でも昼でも―― ―― ――――牢屋は明い―― ―― ――――時々犬めが―― ―― ――――窓から尾をふる―― ―― ――すると...
槇村浩 「長詩」
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三好達治 「短歌集 日まはり」
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