...私は再び小石川までかへつてまゐりました...
伊藤野枝 「書簡 木村荘太宛」
...今でも直ぐないことはないと思ふのだが――」これは義雄の胸に小石川の小説家を説いて見ようと思つてゐるのである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...小石川水道端(こいしかわすいどうばた)の黄鶴楼(こうかくろう)で硯友社の芝居があった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...四十九小石川區武島町三番地五十嵐透といふ表札がちやんと出てゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...本郷から小石川、牛込、下谷、浅草の方まで行った...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...四の頃私の家(うち)は一時小石川(こいしかわ)から麹町永田町(こうじまちながたちょう)の官舎へ引移(ひきうつ)った事があった...
永井荷風 「日和下駄」
...譬(たと)えば砲兵工廠(ほうへいこうしょう)の煉瓦塀(れんがべい)にその片側を限られた小石川の富坂(とみざか)をばもう降尽(おりつく)そうという左側に一筋の溝川(みぞかわ)がある...
永井荷風 「日和下駄」
...私の生れた小石川(こいしかわ)には崖が沢山あった...
永井荷風 「日和下駄」
...三万両のうちの一万両は小石川の水戸家の蔵へ納めました...
中里介山 「大菩薩峠」
...小石川(こいしかわ)の宿の方に足を向けました...
夏目漱石 「こころ」
...本郷、神田、小石川へかけて、町木戸の無いところを選(よ)って、三夜に一軒、五日に二軒、どうかするとそれが連夜に亘って、江戸の物持ち、有徳の町人共を、全く恐怖のドン底に陥入れてしまったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小石川の紅梅亭と云う寄席(よせ)に行った...
林芙美子 「新版 放浪記」
...彼地(あれ)から小石川へ下りて...
二葉亭四迷 「浮雲」
...二人は小石川に家を持った...
森鴎外 「二人の友」
...小石川には大きい別邸がある...
森鴎外 「魔睡」
...衿(えり)には大きな字で「小石川養生所」と白く抜いてあった...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...小石川の普請小屋からひそかに松山(故茂庭周防)を呼びだしたこと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ここは小石川の窪地...
吉川英治 「江戸三国志」
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